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映画『愛、アムール』評価は?ネタバレ感想考察/見たくないけど現実!老老介護の終末

映画愛、アムール

『愛、アムール』あらすじ概要

アカデミー賞で外国語映画賞を受賞。パリの高級アパルトマンで老後生活をおくっている音楽家夫婦の、ジョルジュとアンヌは、アンヌの弟子ピアニストの演奏会へ行き楽しんだ。翌朝、食事中..(ネタバレ感想考察↓)

映画名/邦題 愛、アムール
平均評価★★★★★80私の評価↓は含まず)
原題/英題Amour
日本公開日 2013/3/9 [予告↓]上映時間 127分
映倫区分日本 G(年齢制限なし)USA PG-13
製作国フランス・ドイツ・オーストリア合作
映画監督ミヒャエル・ハネケ
キャスト
出演者
ジャン=ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リバ、イザベル・ユペール、アレクサンドル・タロー、ウィリアム・シメル
配給/製作/画像©ロングライド/Canal+、Wega Film、Les Films du Losange、X-Filme Creative Pool、フランス3シネマ
日本興行収入公表後すぐ更新(興行収入ランキング
世界興行収入0.2億USドル [出典]
製作費0.1億USドル

『愛、アムール』予告動画

ネタバレ感想『愛、アムール』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

私の評価 ★★★★★52/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

『愛、アムール』は、長年連れそった仲の良い老夫婦の妻側が要介護の状態になってしまい、本人の望みどおり自宅で一緒に暮らすという老老介護を描いた、ドラマ映画です。愛をつらぬきとおすとは、どういうことなのかを考えさせられます。

この映画のおすすめ、6つのポイント

  • 老老介護の現実と終末
  • 高齢化社会では他人事でない
  • 老人でなくても自宅介護は大変
  • 痴呆症まであるとさらに大変
  • 娘やヘルパーには任せられない?
  • 究極の愛の終末を考えさせられる
映画愛、アムール

少し残念?つっこみどころ、4つのポイント

  • 長い
  • 楽しいシーンがほぼない
  • 見るのがつらい
  • ラストもつらい

『愛、アムール』ネタバレ感想の総括

見ててつらかったし、語るのもつらい映画です。面白い映画ではないし、ハッピーエンドでもないため、ラストまで見ると暗い気持ちになる人が多い気がします。しかし、人間の闇ではなく愛を描いているので、いやな気持にはならないです。

両親や自分たちの老後のことも考えてしまいます。高齢化社会が先進国の中でも早めに到来する日本では、現実に迫ってる内容でもありますので、目を背けないで見て良かったと思います。ただ、映画体験としては素晴らしいのですが、面白かったとか人に勧めたいかと言われると疑問です。

『愛、アムール』あらすじにそってネタバレ感想

冒頭は、警察や消防士がアパルトマンの扉をやぶって部屋へ入っていき、老いた女性の遺体を発見するという、ミステリー映画のようなはじまり方です。ミステリーならこの女性は実は意外な人物だった、ということになりそうですが、この映画にはミステリー要素は皆無なので見たままです。

次の場面からは、そうなった経緯が描かれます。パリの音楽家夫婦として長年連れ添ってきた、ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)は、そこそこ高級なアパルトマンで暮らしていました。

ある日2人で、アンヌの弟子ピアニストのアレクサンドルの演奏会へ行き満足します。その翌朝、朝食で会話中にアンヌが石化されたように動かなくなります。ジョルジュが動揺してるうちに元に戻りますが、アンヌ自身は何も覚えていません。

何かの病気だとわかる表現は、いろんな映画でありますが、『愛、アムール』のこの石化表現は衝撃的でした。ジョルジュが言うように、最初はふざけているのかと思ったほどです。その後は普通の状態に戻るのですが、実際にもあのような発作はあるんでしょうね。

病院へ行くと静脈硬化で手術が必要だと診断され、あっという間に手術失敗で半身不随になってしまいます。失敗率5%って言ってた気がするのですが、その低確率に当たったわけですかね。アンヌは病院に戻りたくないと言って、ジョルジュに自宅介護を約束させます。

夫婦には1人娘のエヴァ(イザベル・ユペール)もいて、その夫もいますが、たまに来て現実を直視できないのに理想ばかり言って、ジョルジュに一言で負かされて帰っていきます。しかし現実的にはエヴァの言うとおり、老老介護はいずれ限界がくるので、介護施設にあずけることも考えるべきだと感じました。

最初の頃はアンヌも意識がしっかりしてるので、動きが不自由である以外は、自分のこともできていました。文句も言えます。しかし寝たきりになった後は、痴呆症もひどくなってきて、年老いたジョルジュだけでは介護が困難になってきます。それでヘルパーを雇います。

娘エヴァもめったに来ないので、ヘルパーを雇うのは正しい選択だと思います。しかしジョルジュは、ヘルパーのアンヌに対する扱い方が悪いと言って解雇します。第三者的に見てる立場からは、それほど悪い扱いではない気がしましたが、アンヌを愛するジョルジュにとっては我慢できなかったのでしょう

『愛、アムール』結末/ラストシーン

それ以降は、年老いたジョルジュがたった1人でアンヌの介護をします。素っ裸の老体を画面や俳優にさらすエマニュエル・リヴァの演技に対する覚悟には感服しました。アンヌは子どものようになっていき、疲れたジョルジュはたまらなくなって、ビンタしますが後で後悔します。

ジョルジュは孤立していき、エヴァからの電話にも出なくなり、部屋に舞いこんできた鳩すらも追い出します。この時点で老老介護の限界がきてたので、新しいヘルパーや介護施設という選択肢もあったと思いますが、ジョルジュはもう終末の覚悟をしてたんでしょうね

ジョルジュは、アンヌがキッチンに立つ音の幻聴や、元気にピアノを演奏する幻想まで見るようになります。幻想というよりも思い出をなつかしんでいるという感じです。アンヌは正気があるうちに「死にたい」ということを言いますが、これもジョルジュの幻想なのかどうか区別がつきません。

ついに終末の覚悟をしたジョルジュは、アンヌの顔に枕をあてて窒息死させます。また入ってきた鳩はうまく捕まえて、どうしたのでしょうか?まさか殺したとは思えないし、鳴き声もかすかに聞こえてきたので飼っていたのだと思います。遺書にもハトのこと書いてましたよね。

ジョルジュは死んだアンヌを正装させて、花で囲みます。そして部屋をテープで目張りします。アンヌがさみしくないように、ハトはその中に入れて、窓も開けていたんではないでしょうか。

そしてジョルジュは遺書を書いて眠ってしまいます。この時点で死んでしまったと考えることもできそうです。その後の描写は夢のようです。元気なアンヌの幻想とともに、家を出て行きます。そして冒頭の場面になります。最後は娘エヴァが部屋で、相思相愛だった両親のことを思ってるようでした。

老老介護の終末というか行きつく先は、介護する側の老人が亡くなるか衰えてしまうと、両者共倒れとなります。しかしその命の火が消えさるまで、まさに「死がふたりを分かつまで」2人だけで添い遂げることが「愛」ならば、これは「究極の愛の形」です。医者など第三者は全く介入してないので。

ただしアンヌを殺害したことは肯定できないと思っています。介護施設に入れれば、もっと長生きできたでしょうし、たまには正気に戻ったかもしれません。しかしそうなるとジョルジュの手を離れてしまい、最後まで「愛」を注ぐことはできなくなります。

それに、アンヌとの「もう病院には戻りたくない」という約束をやぶることにもなります。施設での扱いはヘルパーよりさらに雑になるでしょうから、アンヌの好みを知りつくしたジョルジュには、見るのが耐えられないとも思います。そう考えると、ふたりにとっては映画での終末が最良だったのかもしれません。

重いテーマだし面白い内容ではありませんが、高齢化社会で両親や自分たちの将来や、愛をつらぬきとおすことについて考えるきっかけにはなりそうです。時間ある時にでも、ぜひ1度は観ることをおすすめしたいです!

他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

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