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ネタバレ感想『散歩する侵略者』壊れた夫婦と愛を失った地球人の再生物語/あらすじ評価

散歩する侵略者

『散歩する侵略者』あらすじ(ネタバレなし)

数日ぶりに保護され記憶をなくした夫の真治を迎えに行く鳴海は、浮気する夫への愛情を失っていた。しかし真治が散歩する侵略者だと聞くと、鳴海はむしろ以前のように愛情を感じはじめる。一方、同じ町で女子学生による一家惨殺事件が発生し、週刊誌ライターの桜井は宇宙人と名乗る天野と出会い...(ネタバレあらすじ↓)

散歩する侵略者の予告動画

映画『散歩する侵略者』評価まとめや作品情報

興行成績、公開日、上映時間などは↑に掲載してます。
DVD/ブルーレイ レンタル開始日,発売日
2018.3.7(発売中
原題/英題
BEFORE WE VANISH
映倫区分
日本: G
配給/製作
(C)松竹、日活、WOWOW FILMS、ジャンゴフィルム
参考
 Wikipedia⇒
映画監督
黒沢清
キャスト/出演者
長澤まさみ、松田龍平、高杉真宙、恒松祐里、長谷川博己
レビューサイト平均評価 ★★★★★66/100換算

『散歩する侵略者』ネタバレあらすじや結末

この先はネタバレありのあらすじです。

立花あきら(恒松祐里)は家族を惨殺して血まみれで車道を歩き、交通事故を誘発します。同じ町の加瀬鳴海(長澤まさみ)は、数日間行方不明だった浮気中の夫の加瀬真治(松田龍平)を病院へ迎えに行くが、何かに感染したのか記憶を失い別人のようになってて鳴海に「ガイド」になるよう頼みます。

週刊誌ライターの桜井(長谷川博己)は一家惨殺事件の犯行現場で、宇宙人だと名乗る天野(高杉真宙)に「ガイド」になるよう頼まれ、アンテナの付いた中継車で一緒に立花あきらを探し始めます。あきらが収容されてる病院で桜井は、天野とあきらが刑事から「自分と他人」という概念を奪い、奪われた人間はその概念を失うことを目の当たりにします。

桜井は宇宙からの侵略者が地球人の「概念」を集めてることを信じ始めます。ガイドは宇宙人に概念を奪われません。一方、真治は妻の鳴海の妹の明日美(前田敦子)から「家族」、ひきこもりの丸尾(満島真之介)からは「所有」、鳴海の仕事の上司からは「仕事」の概念を奪い、彼らはおかしくなります。

逆にそれらの概念を手に入れた真治は少し「人間的」になり、「愛」が冷めていた鳴海は皮肉にも「散歩する侵略者」になった真治を愛しはじめます。真治は教会で牧師(東出昌大)にキリスト教の「愛」の解釈を聞いて奪おうとするが「言葉」だけで「愛」のない者からは奪うことができません。

厚生労働省の役人を名乗る品川(笹野高史)が桜井にGPS発信機を渡し、それにより銃を持った殺し屋が迫るが、あきらは銃を奪って皆殺しにします。あきらと天野は宇宙船に連絡するための通信機を作り始め、もう1人の散歩する侵略者探しを桜井に頼みます。桜井は真治を見つけ、3人の侵略者は会うことができます。

『散歩する侵略者』ネタバレ結末と最後/ラスト

鳴海は真治を連れて逃走し、車に立ちはだかるあきらは、ひかれて絶命します。桜井は人々に宇宙人の侵略のことを訴えるが、信用してもらえません。天野は品川から「邪魔者や迷惑」の概念を奪うが殺し屋に銃撃されます。死亡する前に、生き残りたい桜井の要望どおり乗り移ります。桜井は宇宙人と通信します。

そこへ人間側?の爆撃機ドローン?が空爆をはじめて、桜井も死亡します。ホテルに泊まる鳴海は真治への愛を感じていたが、人類は全滅すると聞いて自分の「愛」の概念を真治に奪ってもらいます。真治は「愛」を得て驚き、世界の見え方が変わります。地球侵略が始まるが、なぜかすぐに終わり人類は助かります

2ヶ月後、病院に寄った真治は、概念を奪われた者は回復傾向だが、鳴海だけはなぜか改善しないと医者(小泉今日子)に言われます。呆然と無気力な鳴海の病室へ行き、真治が「ずっとそばにいるよ。最後まで」と言っても、鳴海は表情を変えずにどこかを見つめたままです。

ネタバレ感想『散歩する侵略者』考察・評価・レビュー

この先はネタバレありの感想・考察です。散歩する侵略者

★★★★★ 59点/100(60が平均)

劇団イキウメの舞台や、その主宰者の前川知大の小説が原作で、黒沢清監督によるSFドラマ映画です。『太陽』という意欲作も劇団イキウメつながりですが、どちらも監督や出演者を見るかぎりは10億円以上目指してた気がするけど、興行収入的には惨敗で映画好きにすら観られてない印象です。

私のひとこと感想や評価は「アイデアや設定や出演者はいいのに、もったいないです。映像表現はチープで、演技は大げさでコントみたいな部分が目につき、会話も違和感が多くて、少しお金をかけた学芸会に見えてしまいます。好きな部分も多いけど、ストレートな面白さでないため、人におすすめしづらいです」

テーマはいろいろ考えられますが、一番は「愛の大切さ」でしょうか。常に「真実の愛」がテーマのディズニー映画みたいですね。みどころは「壊れた夫婦関係が元に戻る再生過程」「長澤まさみの演技力とかわいさ」「あきら(恒松祐里)の格闘シーン」「概念を奪われた者の言動」などです。

宇宙からの侵略者が人間から「概念」を奪うという発想は面白いし、奪われた人間のその後がどうなるのかや、概念を得た侵略者の言動が変わるのにも興味がわきます。夫の不倫を知る妻は、愛することも愛されることもなくなり、愛の概念を失くしていたが、素直な宇宙人に昔の真治を思い出して「愛」や「母性本能」を取り戻す姿は皮肉ですが、かわいさも感じさせる演技です。

キリスト教会の牧師が、聖書などで「愛」の定義を説明するけど、本当の意味では誰も愛してないので概念を奪われなかったのも皮肉ですね。「神」に仕えてると言うだけでお布施や賽銭を数えてるだけのお坊さんも「神」の概念は持ってないのではないでしょうか。東出昌大は薄っぺらい地球人をうまく演じてます。

ラストで小泉今日子演じる医者が「人類が山のように問題を抱えてたタイミングで侵略者がやって来たのは意味ある気がする」や、真治「侵略者は1つ賢くなったのでは」と結論めいたいことを話すけど、まさに人類が団結して「愛」を取り戻すことがメインテーマだと感じます。1人の救世主が犠牲になってですが。

一方で、宇宙人が侵略前になぜ概念を奪うのかはよくわからず、3日くらいで人類を滅亡させられると言う割には、銃や車で簡単に殺せるのは拍子抜けというか設定ミスな気がします。そんな細かい点はつっこむな、というのは舞台なら通用するけど映画で表現するなら映像で納得させてくれるべきです。

それほど期待してなかったけど、アバンタイトルの交通衝突や、女子学生あきらによる戦闘シーンは楽しめました。ただ、厚労省の役人や殺し屋?のリアリティのなさ、銃撃戦や爆撃機や侵略機による攻撃映像の貧弱さは残念すぎます。低予算なりに違う見せ方を考えた方が良かった気がします。

侵略が中断された理由は不明ですが、「愛」の概念を知ったことが関係してる気がするので、マクロスやその他のアニメや漫画などでの既視感があります。人間も「愛」を持ってるけど「所有」の概念も持つため戦争や侵略の歴史は繰り返されてるので、愛などの概念だけで侵略が止まるのはあり得ないです。

いろいろ残念な部分も述べたけど、ここまで興行収入が低いのは不思議です。豪華な出演者たちは素晴らしい演技を披露してくれてて、特に長澤まさみと松田龍平の関係性の変化や、身体能力の高い恒松祐里と、高杉真宙と長谷川博己のやりとりは相乗効果を感じるので、その辺を見たい人にはおすすめです!

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ゆめぴょん(管理人・執筆・映画好き)
ゆめぴょん@ピクシーン
世界一周135国/世界遺産595訪問後、映画にハマり。家視聴含め3年半で1800本。新作は2017年190本、2018年70本
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