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映画『この世界の片隅に』評価は?ネタバレ感想考察あらすじ/天然娘に笑い泣き?戦争の生死の分かれ道

映画この世界の片隅に

『この世界の片隅に』あらすじ概要

日本アカデミー賞でアニメ最優秀賞戦争映画が苦手な人にも、ぜひ観てほしい作品です。第ニ次世界大戦下の昭和19年、広島の呉に嫁いだすずは、ぼっーとしたドジっ娘だが工夫と成長しながら、家族に笑いをもたらします。しかし戦況悪化で…(ネタバレあらすじ↓)

映画名/邦題 この世界の片隅に
平均評価★★★★★84私の評価↓は含まず)
日本公開日 2016/11/12 [予告↓]上映時間 128分
映倫区分日本 G(年齢制限なし)
映画監督片渕須直 [キャスト↓]
配給/製作/画像©東京テアトル/GENCO、MAPPA
日本興行収入27.0億円年間17位
製作費3億円

『この世界の片隅に』予告動画

キャラクター(キャスト/出演者。日本語吹き替え声優)

北條すず(のん)
主人公。広島市出身で、呉の北條家に嫁ぐ。旧姓浦野。絵画が得意。ぼぉ〜としとる
北條周作(細谷佳正)
すずの夫。幼い頃に広島で一度、すずに会ったことがある
水原哲(小野大輔)
すずの小学校時代の幼なじみ。お互い少しは気になる存在だったが…
径子(尾身美詞)
周作の姉。結婚してたが離縁後、娘の晴美と呉の北条家に戻ってきた
晴美(稲葉菜月)
径子の娘。径子とともに北条家へ戻ってきた。すずになついている。軍艦にくわしい
浦野すみ(潘めぐみ)
すずの妹。工場で働いている
北條円太郎(牛山茂)
周作の父。技師として工場勤務
北條サン(新谷真弓)
周作の母。足が少しだけ不自由
白木リン(岩井七世)
呉の遊女。道に迷ったすずと知り合う

『この世界の片隅に』ネタバレあらすじ

この先はネタバレありのあらすじです。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

広島市江波の海苔作りの浦野家には、長男の要一、次女のすみ、ぼぉ〜とした長女すず(声:のん)がいます。すずは9歳の時、市内へ海苔を届けに1人で出かけるが、大きな怪物のカゴに入れられ、そこで出会った男の子は、人さらいだと言いながらのんきな顔してます。

人さらいは夜になると大変だと言ったので、すずは海苔に月や星を描いてバケモノに見せると夜だと思い眠ります。「ありがとな。浦野すず」と男の子は去ります。その怪事件をすずは得意の絵に描いて、妹すみに説明するが「鬼いちゃん」こと兄には叱られます。

リン、水原哲、周作との出会いと結婚(ネタバレあらすじ)

翌年の昭和10年8月、兄妹3人は大潮が引いた海を歩いて、親戚の家へスイカを届けに行く途中、転んで泥まみれになります。スイカを食べて昼寝すると、天井から汚れた服の少女が降りて、スイカの食べ残しをかじります。すずがスイカをあげようとすると、少女は消えました。大人は座敷わらしだと言います。すずは座敷わらしのために着物を置いて帰り、また兄に叱られます。

昭和13年、鉛筆を失くしたすずは、おこづかいの日まで短い鉛筆を削って使います。学校の図画の課題は得意ですぐ帰れたすずは、海辺で同級生の水原哲が、海軍の事故で死んだ兄のことで寂しそうなのを見つけます。すずは海とウサギ型の白波を描いて渡します。

水原は「この絵を見ると海が嫌いになれんじゃろ」と言い、ほぼ新品の鉛筆と椿(つばき)の花をすずに渡して去ります。7年後にわかりますが、水原はすずが描いたこの絵を提出し、広島の絵画大会で評判になり、気まずい思いをしたようです。

昭和18年、すずが18歳の時に縁談の話がきます。嫌なら断ればいいと言われても、嫌かどうかもわからず、翌年には浦野家が広島の呉の北條家へ行き祝言をあげます。すずは、嫁ぎ先の名字も住所も覚えておらず、みんなの前でもんぺを脱いだりと「ぼーっとしとるけぇ」の天然ぶりを披露します。

初夜では、傘のかけあい後、2人で干し柿を食べ、周作はすずに会ったことがあり、口元のほくろも覚えてると言いキスします。出会いは人さらいのカゴの中ですが、すずは覚えてません。すずは翌早朝から働き、配給当番もし、隣組の人らと焼夷弾の講習も受けます。バランス崩して、おばさん達をジャッキー・チェンみたいに倒すドジもします。

すずと晴海と戦艦やまと(ネタバレあらすじ)

昭和19年3月、北條家の長女でモガ(モダンガール)の径子が、嫁ぎ先とうまくいかず、娘の晴海と帰省します。径子が、のんびりなすずにダメ出しして広島へ帰ればと言うと、すずも北條家の皆も里帰りと勘違いし、すずは久々に広島へ帰ってだらだらします。

すずは呉へ戻る日、広島をスケッチしてて汽車の切符を買えず浦野家へもどってあきれられ「ありゃあ」な顔します。妹すみに10円ハゲ(円形脱毛症)を見つけられたすずは、北條家でも気落ちしてると広島が恋しいと誤解されます。晴海は10円ハゲを知ると、墨をぬると言います。

すずが畑でおかず用の雑草を取ってると、周作が帰ってきて海軍船の説明をします。呉の軍港で建造された「戦艦大和」が戻ってきた日でした。2,700人以上の乗員と聞いたすずは「その人数の食事や洗濯は〜?」と驚きます。

5月、太平洋戦争の状況悪化で配給も減ります。すずは野草をつんだり近所の人に聞いたりして、料理を工夫ます。まな板を肩にかついでバイオリン弾きのように、切った野菜を鍋にいれます。楠木正成直伝の楠公飯(なんこうめし)は米が水を吸いすぎて、家族に「うすい〜」と言われます。

6月、呉も空襲による火災が広がらないよう建物疎開という間引きがはじまります。径子は夫を亡くし、店が建物疎開となり、嫁ぎ先の家族は下関へ行くため、離縁して呉の北條家へ晴海と戻りますが、息子は下関へ連れて行かれます。

7月、北條家も防空壕を作ります。径子の店の木材も役立ちます。すずは掘り出した土を畑へ運ぶと、晴海が軍港の大和や武蔵を眺めてて、兄に教わった知識を披露します。お礼にすずは、かなとこ雲という大雨を呼ぶ雲を指差すと、大雨が降ってきて防空壕へ避難します。防空壕の入口で、すずと周作がキスしてると、中から北條の両親が出てきて気まずい思いをします。

すずの日常とリンや水原哲との再会(ネタバレあらすじ)

ある日、すずが畑から軍港をスケッチしていると、憲兵にスパイ行為だと叱責されます。北條家の義母サンと径子は深刻に聞きますが、憲兵が去り周作が帰って来ると我慢できなくなり大爆笑します。ドジっ娘すずがスパイに疑われたのですから。

晴海「なんかわからんが、つられておかしうなってきた」。すずも笑いたかったけど「素直に笑えんのは、うちだけか..」。その前にサンが「みんなが笑って暮らせれば、ええのにねぇ」と言ったことが実現したのはよかったです。

8月、砂糖の配給が止まります。アリの行列をたどった晴海とすずは、貴重な砂糖に群がってるのを見つけ、砂糖壺を水おけに浮かべて予防を試みるが、水の中にこぼしてしまい「ありゃあ」となって闇市に買いに行きます。そして物価の高騰ぶりに驚きます。

帰り道で迷い子となったすずは地面に落書きしてると、「スイカ、キャラメル、、」と絵を喜んでくれるきれいな女性リンに出会い帰り道を教えてもらえます。この辺りは遊郭で、リンも身売りに出されたのです。リン「うちは貧乏やったけど、いっぺん親切されてスイカの赤いとこ食べたねぇ」と言います。

すずは忘れてますが、リンは昔スイカをあげた座敷わらしです。あの親切がめぐりめぐって道案内になったのです。漫画原作では、リンは周作と男女関係があったほど重要人物ですが、映画ではほぼカットされてます。スイカはすずとリンの、キャラメルはすずと周作の「出会いの象徴」です。すずは人さらいを眠らせた時「夕食がなくなって大変だねぇ」とキャラメルを持たせたのです。

9月、周作はすずと映画館でも行こうとするが、軍艦が入港して混雑したため、2人でぶらぶらします。すずは幼なじみの水兵(おそらく水原)に会うのが恥ずかしくて、周作の後ろに隠れます。周作「過ぎたこと、選ばんかった道、終わらんかった夢と変わりゃせん。すずさんを選んだんは最良の選択じゃ」

周作は「顔が白いなぁ」「やせたなぁ」と言い、すず「最近食が進まんな..」で北条家では、すずを妊娠したと思い2人分の食事を出されます。しかし検査すると妊娠ではなく、夕食は1人分に減らされて「ありゃあ」となります。おしろいをぬりすぎたようです。

12月、軍艦の青葉が入港し、すずの同級生だった水原哲が外泊許可を利用して北條家を訪ねます。「すずはただのボンヤリじゃけ、遠慮のう言うて下さりゃ連れ帰りますわい」と言う水原の頭を、すずは灰皿で軽くなぐります。水原はすずの家事ぶりを眺めて「すずは普通じゃのう」とうれしそうです。

そんなやりとりを見た周作は、水原には納屋の2階で寝てもらい、すずにも語り明かして来いと言い締め出します。普段見せないすずの別の顔を見た周作の、嫉妬心と優しさの混じった複雑な感情です。水原は南の海で落ちてきた鷺(さぎ)の羽をお土産で渡します。

すずは羽ペンに仕上げノートにさぎを描くが、憲兵事件以来?久々で上手く描けません。白波うさぎの絵の後日談を語った後、水原はすずの顔にキスし抱こうとするが、すず「こういう日を待ちよった気がする。でもほんまにごめん」と拒否し、明け方に水原を見送ります。

すずののんびりさえ奪う戦争と悲劇(ネタバレあらすじ)

昭和20年2月、「鬼いちゃん」こと兄の要一の戦死を聞き、すずと周作は広島の浦野家へ里帰りします。遺骨箱の中は石1つだけで、妹すみは「お兄ちゃんの脳みそ?」と言うほどです。呉への帰り道、すずは周作に水原と語り明かした夜についてお礼を言います。

同時に「夫婦ってそんなもんですか?」と問いつめ、周作「わしには見せん、あげな怒り顔」で夫婦げんかとなります。駅員「そりゃ今せなあかん、けんかかね?」と言われ、2人で「ありゃあ」となります。

3月から5月、呉でも初空襲がはじまり、識別のため色付けされた対空砲火が、きれいな水彩画のようだが、多くの破片が降ってきて危険です。空襲警報は朝昼晩、食事中も響き、晴海「もう飽きた」。すずが洗濯中に見た飛行機雲は、当時は高く飛ぶB29爆撃機だけのものなので不穏な伏線です。

すずの点検は空襲警報時ものんびりです。義父の円太郎は広島の飛行機工場の勤務で、空襲後に行方不明になります。周作も海軍へ徴兵され、訓練で3ヶ月は帰れません。周作は口紅したすずに「ほんま、こまいなぁ(小さい)」と言って送り出されます。

6月、義父の円太郎が広島の海軍病院で目を覚ましたと連絡され、径子がお見舞へ行きます。円太郎は戦艦大和が沈んだ等と聞いて呉も危ないと感じ、腕時計の修理を口実に、径子と晴海に下関の元嫁ぎ先(時計店)へ行くようすすめます。

径子は切符を買いに広島駅で並び、すずと晴海は円太郎のお見舞へ行った帰り道、空襲警報を聞いて近所の防空壕へ避難します。恐がる晴海にすずは落書きを見せ落ち着かせます。すずと晴海は、B29の爆撃後、防空壕から出てクレーターのような穴を見つけます。

すずは講習で聞いた時限式爆弾のことを思い出し、晴海とつないだ右手をひっぱるが手遅れでした。すずは暗闇でいろんな夢を見て目覚めると、頭と右半身は包帯だらけで、右手と晴海を失ったことに気づき絶望します。

径子「人殺し!晴海を返して」義母サン「あの子も本気で言うとりゃせん。あんたが助かっただけでも良かった思うとるよ」すず「(そうかな?)」。ある日、B29からの焼夷弾(ナパーム弾)が北條家の屋根を突き抜けて火がつきます。最初ぼーとしてたすずは布団と水をかけて、布団ごと外へ放り出します。

その日、呉の町は燃え広がり、高い位置の北條家へ多くが逃げてきます。周作が戻ったのを見て、すずは緊張がとけて倒れます。すずは晴海と右手をなくし家事もこなせず厄介者となり、少し精神も病んでます。皆「よかった」と言うが、すず「どこがどうよかったのか、うちにはさっぱりわからん」

妹のすみが様子見に来て、好きな将校さんの話などしながら、焼け野原の呉の町まで歩くうち、すずも元気になり、来月8月6日の江波の祭りには、広島へ帰省しようと考えます。「鬼いちゃんがいなくて良かったと思うのは、ゆがんどる」と思いながら。

8月6日の広島、原爆投下の日(ネタバレあらすじ)

7月下旬、すずは鷺(さぎ)を山へ追いかけ逃がし、水原のことを思い出します。空襲がはじまり、周作は間一髪ですずと溝へ隠れて命拾いします。すずが広島へ帰ると言うと、周作はすずがいると楽しいと言って抱きしめ、すずも手を周作の背中に回します

昭和20年8月6日。空襲警報の解除後、周作は出勤します。すずは先週末に広島へ帰るつもりが、負傷者が増えて病院の引き継ぎ書の予約がこの日になり、まだ呉にいます。周作の引き止めで心が動いたのかもしれません。

径子は、片手のすずが着やすいようゴムひものもんぺを作ってくれ、晴海の死をすずのせいにした件をわびます。径子は、すずの居場所は呉でも広島でもどちらでもいいので、自分で決めなさいと言います。その時、外でピカッと光ります

すずは「やっばり、ここへおらしてもらえますか?」と径子に寄りかかります。その時、軽い衝撃波がきます。その後、広島の方に巨大なきのこ雲が見え、すずは晴海に話した「かなとこ雲」の後の大雨を思い出します。

昭和20年8月6日午前8時15分、広島にピカドンこと原子爆弾が投下されたことは、もう少し後にしかわかりません。広島ではラジオも新聞も止まって、新型爆弾が落とされたというウワサだけです。広島市の回覧板が爆風で呉にまで飛んできたそうです。

すずはすぐ実家に戻りたいが戻れず、結果的には放射能で被爆せず助かります。そもそも8月6日の祭りに間に合うよう広島へ帰ってれば、原爆に巻きこまれた可能性すらあるので、運が良かったといえます。

終戦後の現実と悲しみが消えない心(ネタバレあらすじ)

8月15日、回覧板で重大なラジオ放送が予告され、大日本帝国民は初めて天皇陛下の肉声を玉音放送で聞きます。日本敗戦と太平洋戦争の終結宣言です。径子は「晴海〜」と隠れて泣きます。すず「最後の1人まで戦うんじゃなかったんかね。外国の米や大豆でうちはできとるから暴力に屈するんかね。なんも考えへん、ぼっーとしたうちのままで死にたかったなぁ」と畑で大泣きします。

すずが戦争の悲惨さや深刻さを考える様子が、この時はじめて明らかにされます。戦時中は泣くことも意見も制限されてたので、すずも径子も晴海の無駄死にを感じて、我慢の涙が一気にあふれたのでしょう。日本が暴力で抑えてた韓国の朝鮮太極旗も上がります。

夕食時は灯火管制も解除されて明るい食卓で、混ぜものなしの白米を食べます。呉のあちこちで町明かりが灯ります。進駐軍が来ると、すずと径子は残飯の雑炊?をもらい、紙くずも入ってますが「うま〜」と満足します。すずは米軍にもらったチョコレート一切れを晴海の死に場所に供えます。

食料が足りず、すずは結婚衣裳の晴れ着を物々交換します。隣組の刈谷さんは息子の服を交換します。息子は広島で原爆にあい、呉の隣保館まで戻ったが行き倒れ、それを息子と気付かなかったと刈谷さんは悔いています。その死に跡は原爆を象徴してます。

「すずはこの世界で普通でおってくれ」と言う水原とその乗艦・青葉の幻覚を、すずは海辺で見ます。すず「晴海さんはよう笑うてたので、笑うて想い出そうと思います。うちは笑顔の入れ物なんです」。刈谷「そうよ〜泣いてばっかじゃ、もったいない。塩分がね〜」と笑います。

昭和21年1月、すずは久々に広島のスイカを食べた親戚の家へ行きます。そこで寝てる妹すみは、被爆して手に放射線障害の皮膚炎を患ってます。8月6日当時、母は祭りの準備で町で行方不明になり、父とすみが探し回ったが見つからずでした。10月には、おそらく放射線被爆で父がなくなりました。

広島では、まだ多くの人が家族を探してて、人違いで声をかけられます。すずは軍港があり空襲の多い呉で、先に右手を失ったが、結果的には浦野家でただ1人生き残りそうです。幼いころ、1人だけ座敷わらしを見た幸運かもしれないし、晴海が犠牲になってくれたのかもしれません。

『この世界の片隅に』ネタバレ結末と最後/ラスト

広島市で働く周作と、昔出会った橋で合流したすずは「この世界の片隅に、うちを見つけてくれて、ありがとう」と言います。後ろを人さらいのバケモノが歩いていき、カゴにはワニのお嫁さん?がいます。それは妹すみに話した冒険記「鬼いちゃんがワニのお嫁さんと南の島で暮らす」からの幻覚でしょう。

すずと周作は汽車を待つ間、原爆で母親を亡くした女の子になつかれます。女の子の母親は、右腕を失くして右半身にガラスの破片が刺さってたので、おそらく左手で女の子を守ったのでしょう。そして、母と同じく右手のないすずに親近感を持ったのでしょう。

すずと周作は女の子を連れ帰って、呉の北條家で一緒に暮らしはじめます。径子は晴海の服を女の子に着せます。エンドロール中、すずが女の子に裁縫を教え、女の子は径子に洋服を縫ってあげ、すずの服にもワンポイントで同じ生地をセンスよく縫います。

エンドロール後、『この世界の片隅に』のクラウドファンディングに出資した大勢の団体や一般の方の名前が流れます。その下では、すずが口紅で描いた風に、リンの幼い頃から遊女になる物語が見れます。すずとの出会いの座敷童子とスイカの話も出てきます。ラストはすずが失くした右手がバイバイします。

ネタバレ感想『この世界の片隅に』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

私の評価 ★★★★★83/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

片渕須直監督と声優のんや音楽について

監督の片渕須直は、テレビアニメで絵コンテ・演出・脚本・監督など多くに関わってきて、アニメ映画では監督作『マイマイ新子と千年の魔法』などで高く評価されています。スタジオジブリ魔女の宅急便』にも関わってたようです。

主役のすずの声は、タレントで女優の「のん」が演じています。のんは事務所移転問題などでTVでは見かけなくなってます。のんの声は、映像や声の入れ方が昔風に感じて見始めはかなり違和感がありました。しかし観終わると、この作品にはこの見せ方が最もあう気がしてます。

他の声は声優が担当してるので全く違和感ありません。主題歌のコトリンゴ「みぎてのうた」等の音楽は作品の世界観にぴったりです。同じ年の『あやしい彼女』と重なる曲もあります。

映画この世界の片隅に

優しい戦争映画?空想で生き抜く

『この世界の片隅に』は太平洋戦争時代が舞台ですが、戦争の生々しさや反戦などストレート表現は少なめです。苦しくて非合理的な時代だからこそ、戦争と正面から向き合うのではなく、日々を明るく前向きに暮らし、長持ちさせようとする人々が描かれています。

すずは家族にもぼぉ〜とした性格を心配されて空想癖もあるため、彼女の視点で見える出来事はどこか現実離れしてて笑えるけど、それが過酷な時代を生きるために必要な能力だったのです。しかし実はぼっーとしとるすずも戦争を無視できてなかったことが、ラスト近くの号泣でわかります。

10円はげができたことから、鈍感なすずも環境が変わるとストレスを感じてたことがわかります。かなとこ雲の形と突然の大雨は、後のきのこ雲と原爆の伏線です。すずの兄は石1つで帰ってきますが、家族の戦死で涙を流すと非国民扱いされるブラックな時代でした。

他に気なった2点を書きます。すずが座敷わらしを見た事件は、すずと他の浦野家の人々の将来を暗示したような恐ろしい出来事です。祝言の時、すずは椿の花を髪にさし、椿柄の着物を着てます。椿の花は水原を連想させますが偶然でなければ、すずの未練を感じます。

『この世界の片隅に』私の評価や総括

『この世界の片隅に』は、多くの人からクラウドファンディングで出資金を集めて制作された映画で、最初は上映館数も少なめでしたが、SNSや口コミで話題になり結果的にはロングランの大ヒット作となりました。

2016年の映画ランキングでも上位をしめた、この年を代表する映画です。全日本人だけでなく、世界中の人に見てほしい作品です。物語はシンプルですが情報量や伏線が多くて、2〜3回めにも新たな発見があるので複数回の視聴もおすすめできます。

モノローグ(思いや状況を直接語ること)が多すぎる、と批判する人もいますが『この世界の片隅に』はモノローグなしでは、ここまで素晴らしい作品にならなかったと思います。つらい時代だが、すずの能天気な考えを知ることにより、笑える物語に仕上がっています。

『この世界の片隅に』おすすめ9ポイント
  • 戦時中のリアルな日常生活
  • 深刻になりすぎないのが良い
  • 笑って笑って泣ける感動作
  • シンプルだが情報量や伏線多い
  • すず(のん)が魅力的
  • 晴美がかわいい
  • 歴史を知る者ほど先がこわい
  • すずの成長と秘めた思い
  • 生死を分けたわずかな差
『この世界の片隅に』少し残念5ポイント
  • 当初の上映館数が少なすぎ
  • 芸能界やTVの、のん八分が残念
  • リンの話があるバージョンも見たい
  • 絵と声の入れ方が最初気になった
  • 重要セリフがさらり(2回見よう)

他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

『この世界の片隅に』含む映画ランキングや映画賞

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