映画『おおかみこどもの雨と雪』評価は?ネタバレ感想考察/かわいさと親ばなれ!個性は封印すべきか

『おおかみこどもの雨と雪』あらすじ概要
日本アカデミー賞最優秀アニメ作品賞受賞。女子大生の花は「おおかみおとこ」と出会い恋に落ち、やがて2人の子どもを産む。雨と雪と名付けられた子どもたちは、人だけどおお..(ネタバレ感想考察↓)
映画名/邦題 | おおかみこどもの雨と雪 |
日本公開日 | 2012/7/21 [予告↓]上映時間 117分 |
映倫区分 | 日本 G(年齢制限なし) |
映画監督 | 細田守 |
キャスト 出演者 | 宮崎あおい、大沢たかお、黒木華、西井幸人、大野百花 |
配給/製作/画像 | ©東宝/スタジオ地図 |
シリーズ/関連 | 細田守監督アニメ映画 |
日本興行収入 | 42.2億円(年間7位) |
平均評価★★★★★79(私の評価↓は含まず) |
『おおかみこどもの雨と雪』予告動画
ネタバレ感想『おおかみこどもの雨と雪』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、細田守監督アニメ映画一覧もご参考に。
『おおかみこどもの雨と雪』ネタバレ感想と総括
細田守監督の長編オリジナル映画としては『サマーウォーズ』に続く2作目です。「おおかみおとこ」や変身についてはファンタジーですが、それ以外の世界観はリアルと変わりません。他人とは違う「マイノリティ」で「個性的な」な子どもを「おおかみ」に例えただけと考えればいいでしょう。
「おおかみ」との間に生まれた子「雨」と「雪」が、人間の母親「花」に育てられ、やがて自立していこうとする物語です。親子愛や子育てや子どもの自立などがテーマです。

この映画のおすすめ、6つのポイント
- 花、雪、雨がみんなかわいい
- 男女の愛、親子愛ともに純粋
- おおかみがマイノリティの象徴
- 個性を封印する日本の学校教育
- 親ばなれ、子ばなれ
- 子どもや家族と安心して観られる
少し残念?つっこみどころ、3つのポイント
- おおかみおとこの死があっさりすぎる
- 花はもっと自分の人生を楽しんでほしい
- ラスト近くの雨に優しさを感じられない
『おおかみこどもの雨と雪』あらすじにそってネタバレ感想
物語は東京の大学に通う「花」が、人間の講義を聞きに来ていた「おおかみおとこ」に興味を持ち声をかけたところからはじまります。いまどきの東京で花のように純粋な女性はめずらしい気もしますが、おとなしい子には誰も声をかけないので友だちもいなかったのでしょうか。
そもそも「おおかみおとこ」が素性を明かしても動じず、一緒に暮らすことができるのですから、花はもともと変わり者でクラスでも浮いてたのかもしれません。花はマイノリティを貫いたと言える気がします。
やがて2人の間に生まれた、姉の「雪」と弟の「雨」。雪はともかく雨という名前にプラス要素は感じませんが、この映画でも「おおかみおとこ」や「雨」との別れの日には、どちらも雨が降っていて象徴的です。
「おおかみおとこ」との別れの場面は、あまりにあっさりと終わるので、状況がよくわかりませんでした。花の反応にも、もっと余韻がほしかったです。そして3人は「おおかみこども」だとバレないように、田舎に移り住みます。
花の経済状態を考えると、家が大きすぎる気がしますが、田舎なら探せばあるかもしれません。ただ、自給自足の作物ができるまでの資金や養育費などは、どうしてたのか疑問です。子どもが学校へ行けば、それなりにお金もかかりますし。
雪と雨が幼い時期に親の花と遊ぶシーンは、この映画で一番好きです。3人ともかわいすぎます。映画の中でもピークだけど、親子にとっても一番楽しかった時期だと思います。この場面があるからこそ、後半はだんだんさみしくなってしまうのです。
雪は学校へ行きだして、周囲にあわせることを覚えます。そして「おおかみ」という個性を封印していきます。良く言えば「人間の社会性」を身につけていきます。良いか悪いかは別として、これが日本の学校教育の風刺になっています。
雨は学校になじめず、保護されたオオカミや、山のキツネ「先生」と出会ったことにより、野生の「おおかみ」として目覚めていきます。そんな雪と雨が衝突して最後の姉弟ゲンカが勃発します。人間でも姉と弟のケンカはこの年令くらいから、男の方が強いのではないでしょうか。
『おおかみこどもの雨と雪』ネタバレ結末/ラストシーン
そしてついに雨が山に入っていきます。花は予想できてたのに、それでも追いかけてしまうんでしょうね。雨も嵐の日に出ていったら、花を危険にさらすとは考えなかったのでしょうか。結局は花を助けますが、もはや雨には人間的なやさしさが、あまり感じられません。
動物の親ばなれは人間よりかなり早いです。だから雨の「親ばなれ」が、花の「子ばなれ」より早かったのでしょう。そしてそれで耐性がついた?花は、雪にも「親ばなれ」をすすめます。
ラストでは、雨は完全に山に入り遠吠えしていて、雪は学校の寮に入っています。「花」はひとりぼっちなのに「雨」の近くがいいのか、田舎暮らしを続けます。「花」にはぜひ自分の人生を歩んでほしいのですが。
子育て経験のない人には、あまりピンとこない部分もあるかもしれません。特に「花」の無償の愛というか献身ぶりが完璧すぎて、自分の趣味ややりたい事はないのかと心配になります。子育て中や子ばなれした人には、共感できる部分があるかもしれません。多くの人におすすめしたい映画です!
続編前作や関連映画は、細田守監督アニメ映画一覧もご参考に。
『おおかみこどもの雨と雪』シリーズ順番・映画ランキングや映画賞
- 細田守監督アニメ映画
- 2012年興行収入ランキング日本
- 宇多丸ランキング歴代(2008-2022)
- キネマ旬報ベスト(2010-2023)
- 日本アカデミー賞(2006-2023)
- ファンタジー/SF映画一覧
- ヒューマンドラマ映画一覧

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