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映画『それでも夜は明ける』評価は?ネタバレ感想考察/自由黒人が誘拐で奴隷にされた12年間

映画それでも夜は明ける

『それでも夜は明ける』あらすじ概要

アカデミー賞9部門ノミネート、作品賞等を受賞。自伝の実話ベース。1841年、アメリカのニューヨークで家族と暮らしていた自由黒人で音楽家のソロモンは、だまされて誘拐され、南部へ..(ネタバレ感想考察↓)

映画名/邦題 それでも夜は明ける
日本興行収入4.0億円興行収入ランキング
世界興行収入1.8億USドル [出典]
製作費0.2億USドル
平均評価★★★★★80私の評価↓は含まず)
原題/英題12 Years a Slave
日本公開日 2014/3/7 [予告↓]上映時間 134分
映倫区分日本 PG12(小学生指導必要)USA R
製作国アメリカ・イギリス合作
映画監督スティーブ・マックイーン
キャスト
出演者
キウェテル・イジョフォー、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチ、ポール・ダノ、ギャレット・ディラハント
配給/製作/画像©ギャガ、フォックス・サーチライト・ピクチャーズ(USA)/Regency Enterprises、River Road Entertainment、Plan B Entertainment、New Regency Pictures、Film4、Regency Enterprises

『それでも夜は明ける』予告動画

ネタバレ感想『それでも夜は明ける』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

私の評価 ★★★★★65/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

『それでも夜は明ける』ネタバレ感想の総括

家族と共に自由に暮らしていたアメリカ北部の黒人ソロモンが、突然金目的で南部へ奴隷として売られてしまい、残忍な白人の元でなすすべなく重労働を強いられたという実話がベースのドラマ映画です。12年後に解放されるまでを描いています。

農園主の白人として、ベネディクト・カンバーバッチが演じる理解はあるが経済的に仕方なく奴隷を使う者や、マイケル・ファスベンダーが演じる道具や消耗品として奴隷をこき使う者などが出てきます。制作側のブラット・ピットも良い人間役で出演しています。

黒人奴隷がひどい扱いをうける映画はこれまでにもありましたが『それでも夜は明ける』が衝撃的なのは、自由に暮らしてた人が突然誘拐されて奴隷として売られてしまった点にあります。つまり彼も私たち同様に、奴隷経験がなかったわけです。

映画それでも夜は明ける

この映画のおすすめ、6つのポイント

  • 一般人が誘拐され奴隷となる恐怖
  • 白人の農園主もいろいろ
  • 奴隷にも様々な考え方
  • 白人の黒人奴隷へのひどい仕打ち
  • ソロモンが尊厳を保つ忍耐力
  • ラストで奴隷から解放される場面

少し残念?つっこみどころ、2つのポイント

  • 事実なのに見るのがつらい
  • ラストで何も解決しない

『それでも夜は明ける』ネタバレ感想や印象的シーン

1841年、アメリカ北部で自由黒人ソロモンは、ヴァイオリニストとして家族と幸せに暮らしていました。ある日、2人組の男に音楽家としての儲け話を聞いて、出張公演に出かけますが、それはウソで誘拐監禁されドラッグづけにされて、南部に奴隷として売られてしまいます。

いきなり衝撃的な展開で、黒人奴隷の歴史をあいまいにしか知らない私は話についていくのがやっとです。その頃は北部には奴隷ではない自由黒人がたくさん住んでいましたが、南部ではあいかわらず奴隷を使った農園が当然の時代だったようです。

ソロモンは自由黒人だと主張しますが無視されます。黒人売買の場では、親子も引きさかれて別々に売られていき悲惨です。ソロモンはウィリアム・フォード(ベネディクト・カンバーバッチ)という信仰心厚くて温厚な白人農園主に買われていきます。

ウィリアムはヴァイオリンもひかせてくれて優しくて、ソロモンにとってはまだましな展開でしたが、仕事上の監督官ジョン・ティビッツには目をつけられてしまいます。ついにはソロモンが暴力をふるってしまい、ティビッツの仲間により報復として首をロープでつられて、つま先立ちを続けさせられます。

この光景は映画でも長々と続くので観てられなくなります。他の奴隷や雇われ人たちは、見て見ぬふりをして誰も助けてくれません。それはソロモンが自由黒人だった時に、奴隷黒人を見ても助けなかったことを思い出させますが、誰しも巻き込まれたくないので当然の行いかと感じます。

ウィリアムが帰るとすぐ助け出して手当てしてくれましたが、ティビッツやその仲間たちには一切罰則はないようでがっかりです。ウィリアムは奴隷にも優しいけど、奴隷システムがないと経済的にやっていけない弱い立場でもあり、信念的にも中途半端です。

それを現代にあてはめて考えると、人件費の安い地域で地元民を搾取して製造した製品を、先進国の人たちが安く買いたたいている現象に近い気がします。搾取されている人の存在は知ってて助け出したいけど、見て見ぬふりして一円でも安く売ってほしいと思ってしまっています。

だから我々にもウィリアムを責めることはできないと思います。ウィリアムを演じるベネディクト・カンバーバッチは、懸命で意志の強い役が多いけど、ここではただ時代に流されるだけの白人を上手く演じています。『8月の家族たち』では頭の弱い役もやってますよ。

ウィリアムはもはやソロモンを守れなくなりそうなので、知り合いの農園主エドウィン・エップス(マイケル・ファスベンダー)に売りますが、もっとましな所へ売ろうとは思わなかったのでしょうか。結局は高い額を得られる方を選んだんでしょうね。

エドウィンは、奴隷を道具としか見てない典型的な南部の白人主義者で、ノルマを達成しない奴隷にはムチ打つし、お気に入りの黒人女性パッツィーを性欲のはけ口にもします。エドウィンは明らかにパッツィーにほれていますが、そんな自分を肯定できず、パッツィーに当たり散らすのです。

当時は黒人に自分との間の子を産ませていた白人はたくさんいて、その子は成長すると高値の奴隷として売られるのだそうです。今いるアメリカの黒人の数十%は、それら黒人と白人の混血らしいです。ちなみにパッツィー役のルピタ・ニョンゴはアカデミー助演女優賞を受賞しました。

ソロモンは裁判官に貸し出された時にバイオリンをひけることを認められ、パーティーなどでひいてわずかな小遣いを稼ぎました。そんな時、アームスバイという白人が奴隷に加わります。彼は監督官から転落したそうですが、そんなことがあるのは初めて知りました

ソロモンはアームスバイを信用して、バイオリンで稼いだ金を渡して代わりに、北部への手紙を送付してもらおうとしますが、裏切られてしまいます。手紙はまだ渡してなかったので、難を逃れますが、後でこっそり焼く姿が悲しすぎました。

その後も長い奴隷生活が続きます。農園で死亡したじいさんを埋めたり、黒人たちで「流れよ、うなるヨルダン川よ」(Roll Jordan Roll)を歌ったりして、他の奴隷たちにとけ込んでいき、自分も同じように死んでいくのだという覚悟を感じられます。

ある日パッツィーが行方不明になってエドウィンはあわてて探しますが、他の屋敷へ行ってたことがわかり、怒りでエドウィンはパッツィーをムチ打ちます。ソロモンにも打たせます。その様子をエドウィンの妻も見に来て、手加減してると注意します。

結局、パッツィーに嫉妬したエドウィンの妻が石けんを渡さなかったため、パッツィーは屋敷へもらいに行ってたことがわかりますが、エドウィンは聞く耳を持ちません。望まないのに、エドウィン夫妻と三角関係になってしまったパッツィーの悲劇です。

『それでも夜は明ける』結末/ラストシーン

大工仕事でサミュエル・バス(ブラット・ピット)がやってきました。彼はカナダ人なので、アメリカ南部の黒人奴隷制度には反対で、エドウィンとは意見が合いませんでした。ある日、ソロモンは自分の境遇をバスに話すと、約束はできないが協力できるかもと言われます。

それから待ち続けたある日、保安官がソロモンを呼び出して、馬車でやってきた紳士の名前を尋ねました。それはソロモンの故郷の知り合いパーカーでした。エドウィンが脅迫しますが、パーカーと保安官によりソロモンは助け出されます。最後にパッツィーと抱き合います。

12年ぶりに自分の家へ帰ったソロモンは、子ども2人が立派に育ってて、娘には良き夫がいて孫まで出来ていることがわかり感激します。妻には長い間すまなかったと謝罪して抱き合います。ソロモンは奴隷から元の生活に戻れた、数少ない黒人だそうです。

その後、誘拐犯などを訴えたようですが、どれも失敗に終わったそうです。農園主は合法で売買してるため、どうしようもないです。本当にくやしいけど、誰も罰せられなかったのです。『ジャンゴ 繋がれざる者』のように誰かに裁いてほしかったです。

ソロモンは黒人解放運動をしたり、秘密組織「地下鉄道」を結成して、黒人奴隷をひそかに逃がす活動もしたようです。映画化したら見たいです。しかしソロモンの結末で残念だったのは、彼の死亡の日時・場所・状況などは一切不明ということです。殺された可能性が高そうです。

内容の大半が奴隷として苦しむ映画なので、そういうのが苦手な人は観ない方がいいでしょう。しかし歴史の真実でもあるし、アカデミー賞など数多くで受賞してるくらいの良作なので、可能なら目を背けずに1度は観ることをおすすめしたいです!

他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

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