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映画『騙し絵の牙』評価は?ネタバレ感想考察/ラストの勝者は?大逆転の奇策とは?

映画騙し絵の牙

『騙し絵の牙』あらすじ概要

不況のなか大手出版社「薫風社」では次期社長の座をめぐり権力争いが勃発。廃刊危機のカルチャー誌「トリニティ」編集長の速水も生き残りをかけて奇策をしけようとするが…。一番のクセモノは誰?誰が味方なのか?(ネタバレ感想考察↓)

映画名/邦題 騙し絵の牙
日本興行収入6.6億円興行収入ランキング
平均評価★★★★★73私の評価↓は含まず)
日本公開日 2021/3/26 [予告↓]上映時間 113分
映倫区分日本 G(年齢制限なし)
映画監督吉田大八 [キャスト↓]
配給/製作/画像©松竹

『騙し絵の牙』予告動画

キャラ ランキング(キャスト/出演者/吹替声優)

個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者)

  • 1位高野恵/めぐみ(松岡茉優)看板雑誌「小説薫風」新人編集者。文学大好き
  • 2位速水輝/はやみあきら(大泉洋)カルチャー雑誌「トリニティ」編集長。廃刊をさけるため奇策を
  • 3位城島咲/じょうじまさき(池田エライザ)人気ファッションモデルだが実は…
  • 4位矢代聖/やしろひじり(宮沢氷魚)新人小説家。イケメンでも話題に
  • 5位二階堂大作(國村隼)大御所の小説家
  • 6位東松龍司/とうまつりゅうじ(佐藤浩市)薫風社の専務。雑誌「トリニティ」廃刊をにおわす
  • 7位宮藤和生(佐野史郎)薫風社の常務。専務の東松と派閥争い。社長息子を後見人に
  • 8位高野民生(塚本晋也)恵の父。高野書店の店主
  • 9位江波百合子/えなみゆりこ(木村佳乃)看板雑誌「小説薫風」の誇りを持つ編集長
  • 10位久谷ありさ/くたに(小林聡美)文芸評論家
  • 伊庭惟高/いばこれたか(中村倫也)薫風社の社長の息子。アメリカ出向中
  • 郡司一/ぐんじはじめ(斎藤工)外資ファンド代表
  • 謎の男(リリー・フランキー)

ネタバレ感想『騙し絵の牙』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

私の評価 ★★★★★70/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

原作は?監督と大泉洋らキャスト

映画『騙し絵の牙』の原作は、塩田武士によるミステリ小説『騙し絵の牙』(2017年刊行)です。『罪の声』の著者でもあります。当初から大泉洋を主人公と想定して書かれたエンタメ性の高い小説です。本屋大賞にもノミネート(結果は6位。ちなみに3位は『屍人荘の殺人』)。

監督の吉田大八は、TVCMディレクターとして多くの実績を残し、2007年の長編映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』でカンヌ国際映画祭に招待された後、数々の映画を監督しています。代表作は『桐島、部活やめるってよ』。

主演の大泉洋の最近の主演作は『新解釈・三國志』『こんな夜更けにバナナかよ』等。松岡茉優の出演作は『勝手にふるえてろ』『万引き家族』や、ちはやふる実写版シリーズなど。

他にも、佐藤浩市、木村佳乃、小林聡美、リリー・フランキー、國村隼、池田エライザ、中村倫也、斎藤工、宮沢氷魚など豪華キャストが出演。個性派俳優女優による、だましあいバトルの競演や逆転劇が期待できそうです!

映画騙し絵の牙

小説薫風を季刊化の理由は?城島咲 逮捕の真相は?

伝統ある出版社「薫風社」の社長・伊庭喜之助が犬の散歩中に亡くなり、専務の東松(佐藤浩市。あだ名は機関車トウマツ)が社長に就任します。その対抗派閥の常務・宮藤(佐野史郎)は、米出向中の社長息子・伊庭惟高の後見人です。

東松は、社の看板雑誌「小説薫風」を赤字という理由で月刊から年4回の季刊に変更。本当の理由は、常務派の「小説薫風」を降格して派閥の勢いを弱めたいからです。しかし常務は大御所小説家の二階堂大作を利用しメディアを味方にします。

東松は、雑誌「トリニティ」編集長になったばかりの速水輝(大泉洋)に廃刊をにおわせます。速水は、数々の雑誌経験を生かして手段は選ばず「トリニティ」再生を進めます。小説薫風の新人編集者・高野恵(松岡茉優)も引き込みます。

速水は、まず高野を使って大御所の二階堂(國村隼)を取りこみコミック化を話題に。次に人気モデル城島咲(池田エライザ)がミリオタ作家ジョージ真崎の正体だと見抜き、表紙や小説「罪は左手、罰は右手に」を依頼。さらに新進のイケメン小説家・矢代聖(宮沢冰魚)を小説薫風から引き抜き、デビュー作「バイバイを言うとちょっと死ぬ」を評論家・久谷ありさ(小林聡美)に高評価してもらいます。

以上が序盤のあらすじです。最初から大泉洋をモデルとしただけあり、速水のキャラは大泉洋がやりそうなことを次々と実行していくのが爽快。雑誌「トリニティ」の発行部数を延ばすという目的のために動くのでわかりやすいです。

ところで、映画『騙し絵の牙』は速水(大泉洋)が主役ですが、登場時間は高野(松岡茉優)の方が多いです。高野は小さな書店の店長の娘で、かつ薫風社の派閥争いにも巻きこまれますが、小説大好き少女の一面も見せ、演じ分けてる松岡茉優はさすがです。

気になったのは城島咲が逮捕されたこと。矢島と一緒の写真をスクープさせたのは速水だと思いますが、3Dプリンタ製の銃を持ってることまでは計算になかったはずです。その目的は、事前に聞いてたSNSストーカーをおびき寄せるためだったのでしょうか。

もしそうなら護衛すらつけてないので、城島咲をストーカーに襲わせてメディアの同情をあおり、雑誌の売上を延ばそうとしたことになります。しかし城島咲は殺害される可能性もあったので、かなりクズな手段です。

矢代聖の正体とは?伝説の小説家は誰?

城島咲が逮捕されるが、写真と小説を掲載したまま広告出稿ゼロでも出版した速水の賭けは大当たりします。しかしエサにされた矢代聖は、常務派の「小説薫風」に寝返ります。が、記者会見で「本当の作者は自分ではない」と告白

なんと矢代聖の正体は、ただの俳優くずれでした。本物の作者は、20年以上も消息不明だった伝説の小説家・神座詠一(リリー・フランキー)です。この速水が仕組んだ策が功を奏して、常務の宮藤は失脚します。が、高野は不信感を抱きます。

矢代聖にはあやしさを感じたし、高野と原稿について話すのを避けてたのも伏線でした。また、伝説の神座詠一が飛行場で高野に見つかった時に逃げた理由も、時期尚早だったからと判明。飛行機前に立ちはだかったギャグは不謹慎でしたが。

このようにトリックの推測はできたが、推理できるほどの材料は提示されなかったのでミステリ的には出オチ。しかも常務失脚には成功するが、矢代聖は盗作で逮捕される可能性すらあります。神座と薫風社が訴えなければ問題ないのでしょうか。

東松をだましたのは誰?最後の勝者は?

常務失脚後、社長の東松は外資ファンドを後ろ盾に物流拠点「KIBA」建築を進めるが、アメリカ帰りの元社長息子・伊庭惟高(中村倫也)が社長就任してご破算に。惟高は先代社長と共に速水を引き抜き、東松をあやつって社内改革を進めてたのです。

サラブレッド速水を走らせてたはずが、走らされたのは東松だったというのが痛快。ちなみに伊庭惟高も先代の伊庭喜之助もイニシャルが「K.IBA」(牙)なのは「常に騙す側」を象徴してそうです。渡米もそのための仕込みだったようです。

「面白ければいい」と言いきる速水の雑誌「トリニティ」も廃刊の流れになるが、速水は起死回生の策として「取次システムを介さないアマゾンでの独占販売」「電子化でウェブメディアに」「ジャンル問わず面白いコンテンツ」を打ち出します。

その考えに賛同できない高野は退職。7ヶ月後、高野は書店でしか手に入らない神座詠一の新刊「非A(ナルエー)の牙」を売り出します。世界中で瞬時に同じものが手に入る便利な時代に、そこでしか入手できない不自由さを魅力にして話題に。神座の小説を探しに来た女子との交流の伏線回収です。

神座詠一の新刊だけでなく斬新なアイデアと話題性まで取られた速水は、初めて騙された側になるが、こりない男は次の一手を進めます。刑務所の城島咲に、ミリオタ向けの「面白い」新刊小説を依頼しに行くのでした。

東松が5年がかり?でやりかったプロジェクトは、出版社の将来にどうプラスになるのか意味不明でした。東松は惟高の兄(義兄?)というウワサもあったが、結局それはただの噂だったのでしょうか。否定の仕方は意味深でしたが。

社長息子の惟高の暗躍が、セリフだけで語られたのは薄っぺらくて残念。速水の「面白ければいい」には違和感あるがビジネスで生き残る唯一の方向性にも思えるので反論はしにくいかも。取次システムの見直し、電子化での生き残りは現実の出版業界でも進むのでしょうね。

ラストの勝者・高野による、どんでん返しとその方法には驚きました。現実では成功しない「夢の奇策」だし「利益の独り占め」なのは問題ですが「現実的な冷たい改革」を進める速水とは対照的で「誰も傷つけない」のが高野らしいです。

高野は、速水が高野書店を偶然見つけたと推理してましたが、映画で真相は明かされませんでした。個人的には、計算だかい速水は、高野の「文学に忖度しない精神」や「出版業界の呪縛に縛られてない若さ」を評価して引き入れたのだと思ってます。対抗勢力「小説薫風」の弱体化にもなるし。

映画『騙し絵の牙』私の評価と感想

騙し騙されのコンゲームやどんでん返しアピールの映画は、期待値が上がってがっかりすることが多いのですが『騙し絵の牙』は何度も意表をつかれたし、かなり面白く観ることができました。原作から大きく改変してるそうですが、いい脚本です。

邦画ミステリにありがちな、不自然な思わせぶりや大げさな演技や叫んだりも少なめにおさえられていたし、ストーリーの破綻も見つかりません。ウソや騙し騙されが連続でキマりすぎるのは、やや軽さを感じたけどそれを上回る驚きがあります。

豪華キャスト出演の映画はめずらしくないけど、こんなにクセモノぞろいのキャラを観られる作品は貴重です。現実離れした展開もあるけど、大泉洋、松岡茉優のうまさがカモフラージュとなり、ウソくささを感じさせないのも魅力です。

同じ書店ミステリーである『9人の翻訳家』ほど驚きや斬新さはなかったけど、2021年公開の邦画ミステリにはがっかり作が多い中、やっと本命が現れた気がしてうれしいです。クセモノ俳優女優を観るだけでも楽しいのでぜひ!

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