実写映画『思い思われふりふられ』ネタバレ感想考察/結末の恋愛相関図は?キャラランキングも
漫画の実写化。理想の恋愛にあこがれる由奈が気になった男性・理央は、明るく現実的な親友・朱里の弟と発覚。一方、朱里は由奈の幼なじみの和臣のことが気になりだし…。最初の告白は誰?最も成長した人とは?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 思い、思われ、ふり、ふられ |
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日本公開日 | 2020/8/14 [予告] 上映時間:124分 |
監督・キャスト | 三木孝浩[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 東宝/東宝映画 |
日本興行収入 | 8.0億円 興行収入ランキング |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2024.8.16更新) 72(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | マンガ実写化一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 市原由奈/ゆな(福本莉子)恋に消極的な女子高生。朱里の親友になる。理央が気になる
- 山本理央/りお(北村匠海)朱里とは親違いの同い年の姉弟。イケメンのモテ男。朱里が気になる
- 山本朱里/あかり(浜辺美波)理央とは親違いの同い年の姉弟。現実的な恋愛をする。和臣が気になる
- 乾和臣/かずおみ(赤楚衛二)由奈の幼なじみ。天然でたまに朱里をドキドキさせる
- 朱里の母(戸田菜穂)理央の父と再婚。朱里と理央の関係を気にかけている
- 我妻暖人/あがつま(上村海成)理央のクラスメイト。由奈に告白するが…
- 亮介(三船海斗)朱里の中学時代の元カレ
- 乾聡太/そうた(古川雄輝)和臣の兄。大学を中退し役者を目指している
ネタバレ感想『思い、思われ、ふり、ふられ』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
原作・監督と浜辺美波らキャスト達
実写映画『思い、思われ、ふり、ふられ』は、咲坂伊緒による『別冊マーガレット』連載の漫画が原作です。単行本全12巻、全48話で完結。略称は「ふりふら」。実写映画化と同年2020年に、アニメ映画版も公開されます。
監督の三木孝浩は『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『フォルトゥナの瞳』等、恋愛要素のある原作を多く実写映画化しています。本田翼、新垣結衣、のん、土屋太鳳、小松菜奈、広瀬すず等、若手人気女優を起用するのも特徴です。
主演の浜辺美波は『君の膵臓をたべたい』の大ヒット後『センセイ君主』『映画 賭ケグルイ』等、個性的な主役をつとめました。『アルキメデスの大戦』『屍人荘の殺人』では魅力的な助演も演じ注目の若手女優です。
北村匠海は、上記キミスイで浜辺美波とW主演をつとめた若手俳優です。『サヨナラまでの30分』の主演が記憶に新しいです。福本莉子も人気若手女優で、上記のセンセイ君主、屍人荘では浜辺美波と共演したので相性もよさそうです。
他にも、赤楚衛二、上村海成、三船海斗、古川雄輝などの若手俳優や、ベテラン女優の戸田菜穂が出演していて相乗効果が楽しみです!
キャラ別「思い、思われ、ふり、ふられ」の推移は?結末相関図?
主要キャラの「思い、思われ、ふり、ふられ」の推移と対象者をまとめます。上の「思い」相関図と似てますが「思われ、ふり、ふられ」が加わる分、恋愛の流れが見えてきます。また、主要4人以外も対象にします。
- 朱里(思いふられ(亮介)。思われふり(理央)。思いふられ思い思われ(和臣))
- 由奈(思いふられ(理央)。思われふり(我妻)。思い思われ(理央))
- 理央(思いふられ(朱里)。思われふり思い(由奈))
- 和臣(思われふり思い思われ(朱里))
朱里は、理央に告白されるかもという日に母親の再婚を聞かされ、気持ちにふたをしました。LINEを未読のままにするために、スマホをわざと落としてこわしてるので、少しは理央への「思い」もあったように感じます。
ちなみに結末の恋愛相関図は「由奈と理央」「朱里と和臣」が相思相愛となりハッピーエンドです。
最初に告白して急成長する意外な人物とは?
4人の中で最も早く「告白」という行動を起こすのは、意外にも由奈(福本莉子)です。図書館からの帰り道、理央に告白して即ふられます。恋愛に消極的なのに「好きになるのを止められない」という表現が由奈らしくてかわいすぎ。
理央はこの時点ではまだ、朱里のことをあきらめきれず、このあと由奈と少し気まずくなります。4人の中で一番早く告白してふられ、ふっきれた由奈はそれ以降「人の目を見て話せる」ようになり、理央に恋愛アドバイスまでします。
由奈はその後、同級生の我妻に告られて「うれしく」感じるがことわり、その感覚を教えてくれた理央の所へ行けるよう「私の安全基地」朱里に背中を押してもらいます。そして王子姿の理央に再告白し結ばれるという、理想の恋愛進行を見せてくれます。
個人的には、浜辺美波に魅せられる映画と思い観に行ったのですが、由奈(福本莉子)と理央(北村匠海)がお気に入りになりました。由奈は唯一家庭環境が良好?なので、自分の心に素直になれる点でわかりやすいキャラです。
2番目の告白方法はいきなりのアレ?
由奈に告られて触発されたのか、朱里が和臣のことを気にかけてて嫉妬したのか、ついに理央が朱里に告白します。理央の告白方法は、あいあい傘でのいきなりのキス。冷静に拒絶する朱里の言動は、女子高生ではなく恋愛経験豊富な大人のよう。
理央もモテ男なので、いきなりキスとか、もはや高校生の恋愛を超越した2人に見えます。理央はモテるのにチャラ男ではないのが好感度高いですね。そしてこのキスシーンは、もう1つの告白を左右することにもなるのですが、それはまた後ほど。
結局、朱里の「自分たちの恋愛より家族の維持を優先したい」という感情と、由奈による説得により、理央は「朱里を好きという思い」を封印します。この結末は悲しすぎて、再婚した大人たちのエゴを非難したくなります。
3番目の告白は勝算高いが?演技力!
縁日の祭りで、あまりにも優しく「思い」もありそうな和臣に対し、ドキドキが絶頂に達した朱里はついに告白。現実的な朱里が告白するほど勝算高いと思えたけど、和臣はあっさり断ります。理由は、朱里と理央のキスシーンを目撃したから。
この告白シーンでの、浜辺美波の演技力はすさまじくて、本作のベストアクトに選びたいです。気まずさ、乙女の恥じらい、あなたも同じ思いでしょ?という同意を求める感情や、後悔も入り混じる複雑な表情を演じきる浜辺美波はさすが。
一方、和臣が断る時の演技には説得力が感じられず、脚本や演出のせいもあるけど役者の演技力の差を見せつけられました。和臣は朱里と理央の関係を知って、自分の気持ちを封印したけど、朱里への思いは完全には消えませんでした。
朱里は和臣に見せた「醜態」(と自分では感じてる)を払拭するため、和臣への思いを断ち切ります。が、元カレの亮介の「朱里はいつも自分の本心にフタをする。中身が空っぽ」という言葉に触発されて、母親と和臣への思いを言葉で伝えます。
原作は未読なので、実写映画『思い、思われ、ふり、ふられ』だけで判断するなら、亮介には「思いやりや人間性」は感じられずひどいキャラです。しかし「周りに忖度して本心を隠す」朱里を開放するためのトリガー的キャラではあります。
朱里は、義父のアメリカ転勤についていくと「(母も来るよう)先回り」するが内心は混乱。そこへ由奈が「今度は私が安全基地になる」とLINEし「みんな朱里ちゃんが好き。朱里ちゃんの声も聞いてあげてほしい」と直接母に聞かせにきます。
ここは感動的で泣けるシーンでした。朱里にたよってばかりの由奈でしたが、実は朱里の方が由奈の「強さや真っすぐな性格」をうらやましく思っていたとわかります。今度は由奈に背中を押された朱里が、和臣とむきあう行動を起こします。
最後の告白は「夢」とともに?
朱里の勝算ありな告白を断った乾和臣ですが、彼も複雑な家庭環境です。和臣の兄は大学をやめて俳優を目指してるので、親は和臣に期待しています。そんな和臣は、自分の夢である「映画への関わり」をあきらめようとしてます。
和臣の両親は兄のことでけんかばかりで、ついに和臣の集めてた映画DVDも全て廃棄します。親として最悪だし、もとどおり全て買いなおすまで絶好していいレベルだと思いますが、和臣は自分の心をころしてしまいます。
しかし朱里や由奈と話すうちに「夢」への情熱を思い出し、親にも話します。朱里が渡した映画『アバウト・タイム』を最初のDVDとして、また集め始めます。高台で「通訳になりたい」と叫ぶ朱里に告白し、自分も「映画仕事に関わりたい」と夢を語ります。
乾和臣は天然風で本当の気持ちも隠しがちなのでわかりづらいキャラですが、そんな難しい役を赤楚衛二は見事に演じました。朱里と似た性格なので、深くつきあうほど衝突しないか心配ですが、痛みをわかりあえるいいカップルになりそうです。
最も自分勝手に思えた人物とは?
個人的に本映画で最も自分勝手に見えた人物は、朱里の母親(戸田菜穂)です。理央の父親も同罪ですが、ほぼ描写されず本心は不明なので朱里の母だけとしておきます。
他の再婚をあつかう映画でもよく聞く「親にも人生がある」という考え方は確かに大切ですが「子どもにも人生はある」ので、どちらかに過度な我慢が必要になるのなら再考すべきと思います。
自分たちだけ結婚して、子ども達にはつきあうな、というのはあまりに大人が勝手すぎます。せめて、高校卒業まで待つか、朱里か理央のどちらかが独立して家を出るまでは結婚を延期してもよかったのでは。
まぁ本作では語られない、経済的な状況を改善するための結婚だった可能性はありますが、そうとしても2、3年待ってやれなかったのか疑問が残ります。
ちなみに再婚した場合の、連れ子どおしの結婚は法律上OKです。だから朱里と理央の恋愛2回戦はありえるかもしれません。
『思い、思われ、ふり、ふられ』私の評価と総括
親の再婚で「思い」を封印した朱里、「思われ」ることで新たな恋愛に気づけた理央、「ふり」後に自分の気持ちに正直になれた和臣、「ふられ」たことで最も早く成長できた由奈。高校生4人の恋愛での葛藤を美しく描いた作品です。
少女漫画が原作だからか、登場人物はみんな優しくて「清らかな世界」での「ラストで誰も傷つかない」ラブストーリーを安心して楽しめました。一方、斬新さや意外性はなく、原作どおりとしても無難な仕上がりに落ち着いてる点は物足りなく感じます。
観る前は浜辺美波を愛でる映画と思ってたけど、由奈の福本莉子と理央の北村匠海のキャラに魅了されました。2人とも他の映画で観たことはあったけど、これほど存在を認識できたのは初めてなので、浜辺美波ともども今後の活躍が楽しみです!
私の評価 62/100(60が平均)
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