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『1917命をかけた伝令』評価は?ネタバレ感想考察/何が見れる?生き残れる?衝撃ワンカット

映画1917 命をかけた伝令

『1917 命をかけた伝令』あらすじ概要

第一次世界大戦中の1917年4月6日。兄が所属する部隊1600人の命を救うための伝令を任されたトム・ブレイクは、スコフィールドと共に戦場を駆け抜けて最前線部隊への伝令を急ぐがワナや刺客も…。2人が遭遇する災難とは?(ネタバレ感想考察↓)

映画名/邦題 1917 命をかけた伝令
日本公開日 2020/2/14 [予告↓]上映時間 119分
映倫区分日本 G(年齢制限なし)USA R
製作国イギリス・アメリカ合作
原題/英題1917
映画監督サム・メンデス [キャスト↓]
配給/製作(C)東宝東和/ドリームワークス、リライアンス・エンターテインメント、アンブリン・パートナーズ
日本興行収入7.9億円
世界興行収入3.8億US$(約423億円)
製作費1.00億US$(約110.0億円)
受賞ノミネートアカデミー賞[撮影賞/視覚効果/録音+7ノミ]、ゴールデングローブ賞[作品賞/監督賞+1ノミ]
参考公式サイトWiki
平均評価★★★★★82私の評価↓は含まず)

『1917 命をかけた伝令』予告動画

キャラクター(キャスト/出演者。日本語吹き替え声優)

ウィリアム・スコフィールド/通称ウィル(ジョージ・マッケイ)
若きイギリス兵。トムが命令された伝令に同行
トム・ブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)
若きイギリス兵。兄の所属する最前線部隊への伝令を急ぐ
エリンモア将軍(コリン・ファース)
トムとウィルに伝令を任せる
レスリー中尉(アンドリュー・スコット)
最前線への最短距離地点にいる上官
スミス大尉(マーク・ストロング)
トラック隊で移動中の上官
マッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ )
トムの兄ジョセフの部隊の司令官
ジョセフ・ブレイク中尉(リチャード・マッデン)
トムの兄。マッケンジー部隊に所属

ネタバレ感想『1917 命をかけた伝令』考察や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

私の評価 ★★★★★67/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

サムメンデス監督と受賞歴・脇固める豪華キャスト

監督のサム・メンデスは、舞台演出をいくつか務めた後、1999年の映画監督デビュー作『アメリカン・ビューティー』で、アカデミー作品賞・監督賞・脚本賞などを受賞。タイタニック』のケイト・ウィンスレットと結婚後、離婚してます。

サム・メンデス監督は、2003年公開『ロード・トゥ・パーディション』や、2012年『007スカイフォール』、2015年『007スペクター』等も監督し内外で評価されました。本作『1917』もゴールデングローブ賞(作品賞、監督賞)アカデミー賞3部門等で受賞しています。

主演のジョージ・マッケイは、日本ではあまり知られておらず、2016年『はじまりへの旅』、2017年『マローボーン家の掟』(主役)が有名でしょうか。ディーン=チャールズ・チャップマンは『ゲーム・オブ・スローンズ』が代表作です。

先輩や上官役として中堅・ベテラン俳優が脇を固めています。マーク・ストロング、アンドリュー・スコット、コリン・ファース(『英国王のスピーチ』)、ベネディクト・カンバーバッチ(『ドクターストレンジ』)などです。

映画1917 命をかけた伝令

実話?ヨーロッパ西部戦線の史実を解説

本作『1917命をかけた伝令』は、サム・メンデス監督が祖父から聞いた実話の戦争体験談がベースになっています。第一次世界大戦中の1917年、行きづまった戦線の硬直から脱するため、ドイツ軍が撤退した実話を基にしています。

当時ヨーローッパ西部戦線で、ドイツ軍の参謀総長にパウル・フォン・ヒンデンブルクが就任します。彼はフランス北部(ベルギーやルクセンブルクとの国境近く)のヒンデンブルク線まで撤退する防御戦略アルベリッヒ作戦を実施しました。

映画『1917命をかけた伝令』では航空機からの確認で、ドイツ軍の撤退は「イギリス軍を誘いこむための戦術的撤退」とされます。深追いして進撃すると返り討ちにあうことを、イギリス軍の最前線に伝えるために伝令を走らせることになります。

当時すでに通信技術はありましたが、ドイツ軍が撤退前に破壊工作したようです。それを修理してたイギリス部隊も攻撃されたと、映画内で語ってた気がします(別件かもしれないけど)。だから走れメロスのように走るしかないのです。

全編ワンカット映像とは?本作の臨場感は?

「ワンカット撮影」とは、同じ視点のカメラで撮影し続ける手法で、通常映画のように「編集でつなげる」ことはしません。だから制作側にとっても、途中での失敗は許されないストレスの多い撮影手法です。その分、挑戦したくなるのでしょう。

「カットがない」ので、基本的には場所と時間を変えることはできません。「視点は1つ」になるので、他の人物や神の視点で描くことも難しくなります。だから、本格ミステリ、タイムトラベルSFなど一部ジャンルは困難となります。

しかし「ワンカット長回し」の作品やシーンを観ると、通常撮影の映画では得られないほどの臨場感や没入感を体験できます。基本的に主人公の動きをずっと追うので、同じ時間の流れを生きてるような気分になれます。

映画『1917命をかけた伝令』でも、主人公2人の伝令任務を「ワンカット」で追うため、視聴者も何が起こるかわからない緊迫の戦場を体感できます。ただし本作は完全に「全編ワンカット撮影」したわけではなく「疑似ワンカット風」です。

かなり計画的な撮影と、高い編集技術により「ワンカット撮影に見えるよう仕上げた」のです。映ってる人と物すべてが同じ配置で始まらなければならないので、ある意味「ワンカット長回し」より難しそうですが全く違和感なかったです!

「ワンカット」「長回し」を用いた有名な映画には、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』や『ゼログラビティ』があり、両作ともアカデミー撮影賞を受賞しています。

同じサム・メンデス監督作『007スペクター』でも、冒頭のメキシコの「死者の日」シーンで効果的にワンショット長回しが使われてましたが、緊迫感がずっと持続するのに心地よさも感じて何度も観たくなります。邦画では『カメラを止めるな』前半でワンカットが使われてました。

伝令に選ばれた理由は?同行者の選択理由は?

第一次世界大戦中のヨーロッパ西部戦線は、攻守側とも膠着状態が続き、クリスマスに帰りたかったトムら兵士も桜咲く春まで前線で過ごしています。トムにエリンモア将軍(コリン・ファース)から呼び出しがかかり、司令本部へ入ります。

トム・ブレイクが伝令に選ばれた理由は、地図にくわしいことと、目的地のデヴォンシャー連隊にトムの兄ジョセフが所属しているからです。弟に兄を救わせたいというより、最高のモチベーションを発揮できるから選んだのだと思います。

トムがウィリアム・スコフィールドを同行者に選んだ理由は特になく、呼ばれた時に一番そばにいたからという程度です。その後の会話を聞いてもわかるように、お互いのことはほとんど知らない者どおしです。

後にウィリアムは「なぜ自分を選んだのか」と問いつめますが、トムは「こんな責任重大で困難な任務だとは思わなかったんだ」と言います。しかし結果的には、トムのこの直感は「最善の同行者を選んだ」ことになるのですが。

最初のケガはドイツ軍の罠による?

最初のミッションは、イギリス軍の塹壕(ざんごう。銃撃から身を守る穴の土道)から、敵ドイツ軍の塹壕までの最短距離を教えてくれる上官に指令書を渡すことです。しかし上官は戦士した後で、後継者レスリー中尉(アンドリュー・スコット)に指示をもらいます。

そこからは塹壕を上がって戦場を駆け抜けることになります。落馬の死体、有刺鉄線にからまったり、カラスのたかった兵士の遺体などがリアルです。前線なので、いつドイツ軍から攻撃されるかドキドキです。

最初の怪我は、ウィリアム・スコフィールドが有刺鉄線で負傷した手のひらです。血がたれてた状態で、さらにネズミの巣にその手をつっこんでしまい、さらにテンションが下がります。

空のドイツ軍の地下壕で行き止まりの坑道に入った2人は、大人数の兵士のベッドや残留品を見つけるが、ドイツ軍のワナの爆発に巻きこまれます。トムは、岩に埋もれたウィリアムを救い、地下坑道が崩れる前に大穴を飛び越えて脱出します。

おしゃべりで能天気なトム・ブレイクと比べると、ウィリアム・スコットフィールドは物静かで自分や家族のことを語りたがりません。ウィリアムは、手の負傷と爆破での生き埋めで不幸が重なって弱気になります。

ネズミはナチス兵のメタファー?

映画『1917命をかけた伝令』では、ネズミが何度か2人を妨害します。ウィリアムはトムに押されて、有刺鉄線で負傷した手をネズミの巣に突っこんでしまい、一瞬ムッとした表情が印象的です。「なんで俺を選んだ」にもつながっていきます。

また、地下壕ではドイツ兵の罠爆弾をネズミが作動してしまい、ウィリアムが岩に埋もれます。まるでネズミが、ナチスドイツに訓練されたような動きで驚きます。ネズミは、ナチスドイツ兵のメタファー(暗喩)だとも感じます。

トムは「ナチスのようなネズミ」と言うし、友人の耳?がネズミに食われた話までしますが、ウィリアムは聞いてるだけです。興味深いのは、ナチスもネズミでさえもウィリアムの「強運(グッドラック)」にはかなわなかった点です。

最大の災難は?生き残るのは誰?

災難つづきのウィリアムで死亡フラグかと思いきや、本作で最大の災難はトム・ブレイクに降りかかります。彼らは放置された小屋から、はるか彼方のドッグファイト(戦闘機による空中戦)をながめます。

先ほど自軍から出発したと思われる2機の友軍機が、1機のドイツ戦闘機を追いつめて撃ち落とします。すると、あっという間にその戦闘機が2人に向かって来て、あわや接触寸前で止まり爆発炎上したのです。2人はとりあえずドイツ兵士を救います。

冷静沈着なウィリアムは撃ち殺そうとするが、トムはそれを制止して水を求めます。しかしウィリアムが水をくんでる間に、トムはドイツ兵に刺されてしまいます。トムの生死は実際に観て確認してほしいですが、ここからウィリアムは1人になります。

戦闘機が迫ってくるシーンは、本作で一番衝撃的でした。この場面はIMAXや3Dで観たいし、そうでなくても劇場で観ることをオススメしたいです。主役だと思ったトムが先にリタイヤしたり、「敵に情けをかけるな」の教訓にも驚きです。

まさかのスナイパー登場?本気のウィリアム

1人になったウィリアムは、スミス大尉(マーク・ストロング)率いる移動中の味方軍と遭遇しトラックに乗せてもらえます。あと数分早く到着してくれてれば、トムへの災難も防げたのにと思ってしまいます。

泥道にはまったトラックは、ウィリアムが率先して復帰させますが、破壊された橋の前で別れて、ウィリアムは再び1人で伝令をつづけます。橋を渡る時、廃墟からスナイパーの正確な射撃が襲います。ウィリアムは応戦しながら廃墟へ入り追いつめます。

そして負傷させてた敵と相撃ちになり、ウィリアムは階段を転げ落ちるが、幸い大怪我ではなくすぐ出発できます。ウィリアムは以前の戦闘で勲章をもらう活躍をしてたそうですが、この時の戦い方を見ると納得できます。

廃墟で救った命と奪った命とは?桜は伏線回収?

廃墟の町には敵ドイツ兵がいたので、隠れるために家へ入ると若い女性と置き去りにされた赤ちゃんがいます。ウィリアムは、持っていた食料とミルクの入った水筒を女性と赤ん坊に与えます。彼は階段転落で後頭部を負傷してたが出発します。

敵兵士に見つかり、トムのように刺されそうになるが、敵の首を絞めて返り討ちにします。他の敵兵達にも見つかり、川へ飛び込んで滝から落ちます。滝の下には、トムが家で兄と摘んだと語った「桜の花びら」が流れてて、トムが見守ってくれてるように感じると同時に伏線回収にもなってます。

伝令は間に合うのか?兄は生きてるのか?

川から上ったウィリアムは放心状態ですが、味方兵士達が歌を聞いてる場に遭遇し、自分も座って聴きます。歌は『それでも夜は明ける』でも聞いた「流れよ、うなるヨルダン川」(ヨルダン川よ流れよ)でしょうか?

その部隊がデヴォンシャー連隊の殿(しんがり=最後尾)だとわかると、ウィリアムは一目散に兵士たちをかき分けて最前線へ向かいます。塹壕(ざんごう)にも敵からの攻撃がとどくので、運が悪ければ流れ弾に当たります。

それでもウィリアムは、すぐに攻撃開始されそうな雰囲気を感じとり、ラスト数百マイルは塹壕から出て直線的に司令部へ走り出します。味方兵にはぶつかるが、敵の弾には当たらない「強運」の自信や成長した姿を感じます

マッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ)に無事に伝令書を渡せて、攻撃中止とすみやかな撤退が決まり、1600人の兵士たちの命を救えました。トラック部隊のスミス大尉の発言「必ず誰かの前で渡せ」は伏線ではなかったのですね

ウィリアムは、トムの兄ジョセフ・ブレイクにも会えて形見の指輪を渡し、母親への言葉も伝えます。兄役はディーン=チャールズ・チャップマンが1人2役で登場するだろうと思ったけど別の俳優でした。

ラストで1本の木にもたれるウィリアム・スコットフィールドの姿は、冒頭で木に寄りかかってたシーンと「韻をふんでる」ように感じます。そういう映画たまにありますね。

冒頭の、孤独で放心した姿と違い、最後は家族の写真をながめて、やっと家族と向き合うことができそうなウィリアムの姿に成長を感じます。次にもらう勲章は何かと交換したりせず、家族のもとへ持ち帰ろうと考えてそうです。

アイテムの使い方がRPGぽい?

ワンカット長回し映像がFPSゲームのようで緊張感ありますが、アイテム(小道具)を与えられたり・ゲットしたり・使ったりする流れもRPGゲームのようです。最初の司令部で、地図、懐中電灯、医療品、手榴弾、指令書を渡されます。

最初のミッションで指令書を渡すと、代わりに近道を教えてもらえて信号弾ももらえます。地下坑道では懐中電灯が役立ちます。敵ドイツ軍の撤退確認後、照明弾を打ち上げます。

ウィリアムの水筒の水は、爆発による砂まみれの顔に流して全部使うが、すぐにミルクを見つけて満タンにできます。このミルクは後に、出会った女性に与え、空腹の赤ちゃんの命も救えます。ミルクでしか救えなかったので、ワナの爆発のおかげなのが皮肉です。

トム・ブレイクの指輪もウィリアムがラストで兄ジョセフに渡すし、伝令書もトムの代わりにマッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ)に手渡します。

『1917命をかけた伝令』私の評価と総括

疑似的な「ワンカット長回し」が話題で賞レースでも人気ですが、それにこだわると時間表現・空間表現が乏しくなるデメリットもつきまといます。実際、ストーリーでも多くの制約を受けてるため、物語の内容はやや希薄と感じます。

ただ、映画『1917命をかけた伝令』の見どころややはり「ワンカット風」の臨場感やスピード感なので、それをいかすためのストーリーは素晴らしいし、次に何が起こるか予想させない展開はこの映画でしか観られないので貴重です。

敵兵の命を奪ったつぐないにはならないけど、偶然手に入れたミルクで赤ちゃんの命を救ったり、桜の伏線回収や、冒頭とラストの木に寄りかかるシーン等、文学的要素も含んでて「単なる戦争映画」ではないので多くの人に体感してほしいです!

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