映画『美女と野獣(2017)』評価は?ネタバレ感想考察あらすじ/魔女のねらいは?最も醜い心の持ち主とは?

『美女と野獣(2017)』あらすじ概要
ディズニーアニメの実写化(一覧)。読書好きで変人扱いの美女ベルは父を救うため、城で暮らすことになるが粗暴な野獣を好きになれません。野獣は魔法解除のため真実の愛を見つけたいが、村人が退治にきて…。魔女の正体は?召使いの素性は?(ネタバレあらすじ↓)
映画名/邦題 | 美女と野獣(2017) |
原題/英題 | Beauty and the Beast |
日本公開日 | 2017/4/21 [予告↓]上映時間 130分 |
映倫区分 | 日本 G(年齢制限なし)USA PG |
製作国 | アメリカ |
映画監督 | ビル・コンドン [キャスト↓] |
配給/製作/画像 | ©Walt Disney Studios Motion Pictures/Walt Disney Pictures、マンデヴィル・フィルムズ プロダクション |
シリーズ/関連 | ディズニー実写映画 |
日本興行収入 | 124.0億円(年間1位) |
世界興行収入 | 12.6億USドル [出典] |
製作費 | 1.6億USドル |
平均評価★★★★★76(私の評価↓は含まず)
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『美女と野獣(2017)』予告動画
キャラクター(キャスト/出演者。日本語吹き替え声優)
『美女と野獣(2017)』ネタバレあらすじ
この先はネタバレありのあらすじです。続編前作や関連映画は、ディズニー実写映画一覧もご参考に。
ある国の舞踏会で、若く美しく傲慢でわがままな王子(ダン・スティーヴンス)は、外見で見下したみすぼらしい老婆に魔法の呪いで醜い野獣にされます。召使い達も家財道具に変えられます。城も廃墟になり、周囲から忘れ去られました。
呪いを解く方法は?美女と野獣の出会い?(ネタバレあらすじ)
魔法の呪いを解くには、魔女が残した一輪の赤いバラの花びらが散り終わるまでに、野獣が誰かを愛して愛される「真実の愛」を見つける必要があります。しかし時が経ち、王子も召使いも元の姿に戻ることをあきらめかけています。
ある村に、発明家モーリス(ケヴィン・クライン)の美しい一人娘ベル(エマ・ワトソン)が住んでます。読書と空想好きで、村では変わり者と思われてるが気にしてません。人気者ガストン(ルーク・エヴァンズ)に求婚されても断ってます。
父モーリスは発明大会へ向かう時、森で狼に追われて城を見つけます。ベルのために庭でバラをつもうとしてると、野獣に捕らえられ檻に入れられます。ベルは戻った馬で城へ行き、野獣と交渉して父の身代わりになり城に残ります。
美女と野獣を近づけるのは本と舞踏会?(ネタバレあらすじ)
ベルは短気な野獣は嫌いだが、召使いとは仲良くなります。置き時計コグスワース(声:イアン・マッケラン)、ロウソク立てのルミエール(イアン・マクレガー)、ポット夫人(エマ・トンプソン)やその息子でティーカップのチップ等です。
ベルは野獣のディナーへの誘い方が気に入らず断ります。秘密の部屋で魔女の赤い薔薇をさわろうとした時、野獣に怒鳴られ、ついに城を飛び出します。狼に襲われるベルは間一髪で野獣に救われ、大怪我の野獣を放置できず城へ連れ帰ります。
ベルに手当された野獣は少しづつ心を開き、人間らしさや優しさを取り戻します。ベルは書庫の蔵書量に感激し、美女と野獣で読書、ディナー、散歩、雪合戦、ミュージカルな舞踏会等を楽しみます。ベルは黄色ドレス、野獣も正装します。
ベルは魔法の本で亡き母を見ます。パリの生家で母が伝染病(ペスト?)になった時、父はベルを救うため苦渋の決断で家を去りました。ベルは魔法の鏡で、現在の父が精神病院送りになりそうなのを見て、舞踏会ドレスのまま救いに向かいます。
人の心を取り戻す野獣・野獣退治の村人(ネタバレあらすじ)
少し前、父モーリスは村で救いを求めるが誰にも相手にされず、ついてきたガストンとル・フウ(ジョシュ・ギャッド)に縛られ置き去りにされました。アガットという女性に救われ、村でガストンらを非難すると逆に精神病院送りにされそうです。
野獣は舞踏会後、ついに元に戻れると期待したが、ベルの幸せを優先します。召使い達はがっかりします。ベルは村で魔法の鏡に映る野獣を見せて父の正気を証明するが、ガストンら村人大勢は野獣退治に出発し、ベルと父は檻に入れられます。
野獣の城に押し寄せる村人を、時計や燭台の召使い達は止めようとします。ル・フウはガストンに見捨てられたので改心してポット夫人を救います。ベルが去り戦意消失の野獣は、背後からガストンに撃たれて落下し、塔にしがみつきます。
『美女と野獣(2017)』ネタバレ結末と最後/ラスト
そこへ脱出したベルが駆けつけ、ガストンの銃を落とします。野獣は喜び、塔を飛び移りながらベルへ近づきます。野獣は攻撃してきたガストンを落下させようとするが、人間の心がもどって逃します。しかしガストンは背後から2発撃ちます。
その振動でガストンの足元は崩れて落下し、おそらく死亡します。野獣も息を引き取ったようになり、魔法の赤いバラも最後の花びらが散り、使用人達も家財道具になります。その時、ベルは野獣に「I love you(愛してる)」と告白します。
すると「真実の愛」が成立します。父を助けた女性アガットが魔女だったようで、魔法の赤薔薇を再生し呪いを解きます。村人も記憶を取り戻し、城の召使い達と家族の再会を果たします。ベルこと美女と野獣だった王子もダンスを踊り、幸せな国を築いていきそうです。
ネタバレ感想『美女と野獣(2017)』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、ディズニー実写映画一覧もご参考に。
監督や主演エマ・ワトソン等のキャスト
監督のビル・コンドンは、『シカゴ』脚本、『ドリームガールズ』監督・脚本、トワイライトシリーズの2作も監督し、『美女と野獣』の後は『グレイテスト・ショーマン』脚本も担当し、ミュージカル作品では評価されています。
主演のエマ・ワトソンは、ハリーポッターシリーズの頼れる魔法使いハーマイオニーでデビューし、全8作で世界中に知られる有名女優となりました。その後は様々な役に挑戦してますが『美女と野獣』が一番のハマり役です。
ガストンを演じたルーク・エヴァンズは、『ホビット 思いがけない冒険』等の三部作で弓の達人バルドや、ワイルドスピードシリーズのオーウェン・ショウが一番有名でしょうか。ゲイだと告白してて『美女と野獣』でもル・フウにほれられる描写が話題になりました。
家財道具の召使いの声優も豪華です。燭台ルミエールはユアン・マクレガー、古時計コグスワースはイアン・マッケラン、ポット夫人はエマ・トンプソン、チェンバロのマエストロ・カデンツァはスタンリー・トゥッチが担当しています。

ディズニーアニメ『美女と野獣』を実写化する理由は?
『美女と野獣』に限らず、ディズニーはアニメ映画の実写化(一覧)を次々進めています。著作権対策やシナリオ不足が理由ぽいけど、CG技術の向上で今まで実現できなかったシーンを再現したいってのもありそうです。
そのねらい通り、実写化では難しかったアニメ映画がCG等のVFX技術で違和感なく映像化されています。野獣だけでなく城の召使いである古時計、ロウソク立て、ポットやティーカップ等が生き生き動く姿は魔法のようで楽しいです。
特に人間以外のミュージカルシーンや舞踏会などは夢の国の映像化です。しかし一方で、単なるディズニーアニメ映画(一覧)の焼き直しにすぎない作品も多く、興行収入でも苦戦してるのが現状です。
ストーリーに目新しさはなし?アイドル映画?
有名なおとぎ話なので多少変更しても、ストーリーに斬新さはありません。むしろありきたりが安心な層向けなのでしょうか。「真実の愛」はディズニーアニメ映画でも定番だし結末も初めから予想できるとおりです。
好演の野獣やガストンの描き方に魅力を感じられる部分はあったけど、やはりベル役のエマ・ワトンにたよりきりなので、日本でも多いアイドル映画に近い印象です。
テーマは「人を外見で判断しない」「多様性を受け入れる」かな?
『美女と野獣』は冒頭で傲慢な王子が、醜い老婆を外見で見下したことから魔法で野獣にされ「みにくい野獣の外見でも気にしない女性を見つけ『真実の愛』を得よ」というミッションを達成する物語です。
対立軸として「みにくい野獣を、無害なのに退治しようとする村人達」も描かれます。村人は野獣を外見での嫌悪感だけで襲いに行くので、野獣になる前の王子と同等かそれ以上に醜い心です。魔女による制裁がないのが納得できません。
さらに村人達は、読書や空想好きのベルや発明家モーリスに「他人と違う者」というレッテルを貼り「多様性」を受け入れようとしません。そんな村だからこそ、ゲイか女装趣味のあるル・フウも本音を隠しながらガストンに従っていたのでしょう。
一方で、ベルは「野獣を外見で判断せず、多様性も受け入れ」ました。しかし、傲慢だった王子が醜い外見のベルに「真実の愛」を見つけた方がテーマにあうので、エマ・ワトソンの起用は裏目な気もします。
しかし『心の美女と外見の野獣』ではなく『美女と野獣』というタイトルなので、外見を気にして野獣姿に絶望した王子が、人と違っても気にしないで父思いでもあるベルと奇跡的に出会って救われる物語と解釈できます。
魔女アガットが魔法をかけた真相とは?
魔女アガットは、最初から傲慢な王子に魔法をかけるつもりで城に入ったと思われます。その目的は「外見で人を判断する王子への罰」だけでなく「多様性を受け入れない村人への罰」のため、その家族である召使い達を変身させ、村人の記憶も奪ったのでしょう。
しかし、王子の改心は描かれたけど、村人たちの改心はそれほど描かれてないのが残念です。家財道具が人間にもどり、それが自分達の家族だったとわかった後に「多様性」を受け入れることを、魔女アガットは期待したのでしょうか。
最も人間くさいガストンの罪とは?
ガストンは他の村人と違い、ベルを変わり者として差別しません。しかしそれは「結婚や恋愛対象として外見の美しさだけ」を求める「偽りの愛」なので、野獣にされた王子と似た考え方の持ち主です。結婚後はベルをこき使うことが想像できます。
ガストンは村人を説得し、ベルを救うために野獣の城へ向かいますが、それも単に「ベルを恋敵から奪うため」です。そう考えるとガストンは最も人間らしく描かれてて「理由もないのに野獣を退治」しようとする村人より罪は軽く感じます。
しかし恋敵である野獣を背中から撃った時点で「ガストンは最も野獣に近い化物」だと確定します。その対比として、野獣はベルに言われずとも自分の意志で怒りをおさえ、人間の心で死ぬことになり、それが魔法解除のきっかけとなります。
魔女アガットは、ガストンにこそ野獣の魔法をかけるべきだと思ったけど『美女と野獣』で唯一死んで償ったキャラなので、魔女は見通してたのかもしれませんね。
ミュージカル映画『美女と野獣』総括
肝心なミュージカルシーンや音楽について、ガストンや村人のシーンにはあまりノレなかったけど、美女と野獣がからむ場面は好きだし、ダンスシーンはきれいなので音楽とも印象に残りました。が、CGの野獣がベルと踊るのには無理も感じます。
ところでラストで、ルミエール、コグスワース、チップなどは本名でしたが、まさかメイド頭のミセス・ポットの本名が、そのままポットだったことには、いさぎよさを感じました。
ストーリーは平凡で驚きがないけど、ハーマイオニーだったエマ・ワトソンの魅力が作品を盛り上げてます。燭台ルミエールやポット夫人を実写のように見られるだけでも、一度は観る価値のある映画だと思うのでオススメです!
- ディズニー名作の実写映画化
- ラブファンタジーミュージカル
- おなじみの曲や音楽
- 野獣や城の住人のCGが見事
- エマ・ワトソンのベルが魅力的
- ガストンの悪役ぶり
- 子どもや家族と一緒に楽しめる
- ストーリーが単調
- 目新しさや驚きが少ない
- エマ・ワトソンの魅力に頼りすぎ
- ノレないミュージカルがある
- ラストは魔女が助けた?
続編前作や関連映画は、ディズニー実写映画一覧もご参考に。
『美女と野獣(2017)』シリーズ順番・映画ランキングや映画賞
- ディズニー実写映画
- 映画ブルーリボン賞(1990-2023)
- 2017興行収入ランキング日本
- 歴代映画興行収入ランキング日本
- Filmarks満足度ランキング(2013-2021年末)
- キネマ旬報ベスト(2010-2023)
- 歴代映画興行収入ランキング世界
- 世界興行収入(2000-2022年)
- アカデミー賞(2003-2023年)
- 報知映画賞(1990-2023年)
- 日本アカデミー賞(2006-2023)
- ファンタジー/SF映画一覧

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