映画『ゲド戦記』評価は?ネタバレ感想考察/人と竜の出会いと命と世界均衡を崩す心の闇

『ゲド戦記』あらすじ概要
スタジオジブリのアニメ映画。太古に人と竜が住みかを分けた世界。エンラッド王国では少しづつ異変が起こり、世界の均衡の崩れを調べるために大賢人ハイタカが旅に出た。父王を刺殺したアレンは国を去り、ハイタカや不思議な少女テルーと出会う。一方、魔法使いクモはハイタカへの復讐心にもえて...(ネタバレ感想考察↓)
映画名/邦題 | ゲド戦記 |
日本公開日 | 2006/7/29 [予告↓]上映時間 115分 |
映倫区分 | 日本 G(年齢制限なし) |
映画監督 | 宮崎吾朗 |
キャスト 出演者 | 岡田准一、手嶌葵、菅原文太、田中裕子、香川照之 |
配給/製作/画像 | ©東宝/スタジオジブリ |
シリーズ/関連 | スタジオジブリ映画 |
日本興行収入 | 78.4億円(年間3位) |
平均評価★★★★★56(私の評価↓は含まず)
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『ゲド戦記』予告動画
ネタバレ感想『ゲド戦記』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、スタジオジブリ映画一覧もご参考に。
『ゲド戦記』ネタバレ感想や考察
ジブリのファンタジー映画は好きだし、ドラゴンのポスターはかっこいいし『天空の城ラピュタ』と同様にボーイミーツガール要素もありそうだし、大賢人ハイタカの存在が『ロードオブザリング』のガンダルフっぽいしで期待しかない映画でした。
しかし1回目ラストまで見た時にかなりがっかりした記憶があります。ひとことで言うと「意味がわからない」だったのですが、2回め以降見てもほぼ同じ感想です。その大きな理由は「説明不足」「冒険不足」につきると思います。原作読んでない人の方が多いだろうから、もっと説明すべきです。
ストーリーは、エンラッド国王である父親を刺殺したアレンが国を去る旅に出て、大賢人かつ魔法使いのハイタカと出会い、ホートタウンを経てテナーの家に居候中、クモらがテナーとアレンをさらい、助けに行ったハイタカも魔法を封じられて捕らわれ、残されたテルーがアレンたちを救いに行くという物語です。
冒頭で竜が喰いあったり、父である国王を殺して王家に伝わる魔法の剣を盗んで旅に出たり、魔法使いハイタカが強そうだったり、テルーとの出会いや関係性の変化が楽しみだったり、ラスボスっぽいクモの正体や野望が気になったりと、期待をふくらましながら観たのですが、ほとんど裏切られてあっさり終わります。
キャラクターは絞りきれてますが、ほとんどが暗い性格なのも気になります。冒険不足だと感じたのは、テナーの家に定住して、そこでさらわれてクモの館へ行っただけなので、自分たちの意志で何かを探すとか、どこかへ向かうとかがないからです。さらにハイタカが探す「世界の均衡を崩す者」も相手からやってきてくれて万事解決したのもご都合主義だと感じます。
結局、テルーの正体はドラゴンだったのでしょうか?それなら、ドラゴンが人間に変身できるという伏線などを先に教えてくれるべきと感じます。そしてクモをあっさりとドラゴンが倒してしまうのも、アレンの存在価値を台無しにしてます。アレンの心の闇や王家の魔法の剣とは何だったのでしょうか?
原作はアメリカの人気小説で、邦題「ゲド戦記」とはハイタカのことらしいです。映画の後、アレンはエンラッド王国へ戻るようですが、さすがに父である王を殺してるので「心の病」ではすまされず死刑になる可能性が高いけど、大賢人ハイタカが弁論でなんとかするのでしょうか。ジブリ作品としてハードル上げない方がいいけど、気になる人はぜひ観てみてください。

『ゲド戦記』おすすめ3ポイント
- ジブリのファンタジーアニメ映画
- 冒頭から期待がふくらむ
- ボーイミーツガール要素あり
『ゲド戦記』少し残念10ポイント
- 何の物語だかわかりにくい
- 冒険もバトルもほぼなし
- 暗いキャラクターばかり
- 世界観など説明不足
- 声優や話し方に違和感がある
- 肝心な時にハイタカが役立たず
- アレンの剣の意味が不明
- テルーの正体は竜?伏線なし?
- クモの存在や倒し方に納得感なし
- クモが死ぬと均衡の乱れも解決?
『ゲド戦記』ネタバレあらすじや解説
どこかの海で船員たちが、竜が喰い合い1頭が海に落下するのを見ます。かつて竜と共存してた人間は大地と海を選び、自由を欲した竜は風と火を選び別々に暮らしてました。エンラッド王国では干ばつや家畜の死、幼児の感染症などが広がっていて、光が弱まり闇との均衡が崩れてきて国王が対応に追われます。
国王が1人で部屋に戻るところを、王子アレン(声:V6の岡田准一)がナイフで突き刺して、王家に伝わる魔法の剣を奪って国を去ります。砂漠でハイエナのような獣に襲われてる時に偶然、魔法使いのハイタカ(菅原文太)が通って助かり、共に旅することになります。2人は大きな街ホートタウンに到着します。
ハイタカはまじない師だった女からアレンのマントを購入します。アレンは麻薬のような「ハジア」売りに「この世のうさを忘れられる」とすすめられますがハイタカに止められ、そばの生きる気力をなくした中毒者を見て気分が悪くなります。ハイタカは世界の均衡を崩す生き物がいると告げ、1人で街に出ます。
アレンは突風がせまる気配を感じて逃げます。アレンは奴隷商人に追われる少女を見つけ、何かに取りつかれたように二刀流の戦士も剣のさやを抜かずに倒します。助けた少女テルー(手嶌葵)はアレンを拒絶して走り去ります。アレンは夕陽を浴びながら海そばで眠ると、竜の夢を見ますが殴られて目を覚まします。
先ほどの奴隷商人は人狩りもしてて、アレンも多くの奴隷とともに手足にかせをされて牛車でどこかへ運ばれます。急に閃光がきらめき、ハイタカが全員のかせをはずして、アレンを救い出します。他の者は自分たちしだいだと言います。ハイタカは物探しの呪文でアレンを見つけたそうです。
2人は町外れのハイタカの旧友テナー(風吹ジュン)の家で宿泊します。大賢人ハイタカは世界の均衡を崩す原因を探す旅に出てるそうです。テナーのもとには5年前からテルーという少女が同居してて、人嫌いなのにハイタカの名を聞くと、顔の左半分の火傷痕も見せます。ハイタカは「まさか」と言います。
テルーやアレンを襲った人狩りは、魔法使いのクモ(田中裕子)に仕えるウサギ(香川照之)といい、ハイタカらを捕らえるよう命令されます。ハイタカ、アレンはしばらくテナーの土地の農作業などを手伝います。ハイタカは「真の名」を知ると相手を支配できるが使い方を誤れば世界の均衡が崩れると言います。
テルーは自分を助けるために戦ったアレンに「命を大切にしない者は嫌いだ」と言います。その夜アレンは、暗い影のような海に飲みこまれる夢をみてうなされます。翌朝ハイタカは1人で出かけます。テルーは幼い頃に両親に顔の火傷をおわされて道端に捨てられたそうです。テナーもハイタカに救われたようです。
ウサギと部下らがテナーの家に馬で乗りこんで来ますが、ハイタカが外出中だと聞くと街へ戻り、そこでハイタカの服装をした男性に声をかけるが人違いです。しかし本当は人違いではなくハイタカが魔法で顔を変えていたのです。ハイタカはクモが街外れの館に住んでるという噂を聞きます。
アレンはテルーの歌を聞いて涙を流し「なぜ父を殺したのか自分でもわからない。心の中の闇が凶暴化させる」と言い、夕食前に1人でテナーの家を去ります。その夜、テナーはウサギらにさらわれます。クモはアレンをさらい「ハイタカが永遠の命を独り占めするために、選ばれし者アレンを殺す」と嘘を吹き込みます。
クモはアレンに手を組んで永遠の命を手に入れようと誘い、アレンの真の名「レバンネン」を聞き出して操ります。ハイタカはテルーから事情を聞いてクモの館に乗りこみます。クモはかつてパルンの知恵の書で禁断の魔法を使い、ハイタカに阻止されて改心したようにふるまったが内心は復讐を誓っていました。
クモは不死を手に入れたと言い、アレンをハイタカと戦わせます。ハイタカ「不死は生を失い拒絶することだ」、アレンはハイタカを剣で突き刺します。ハイタカ「いつか死ぬということは天から授かった贈り物だ」。アレンは涙します。ハイタカは実際には刺されてませんが、ウザギらがハイタカを捕らえます。
なぜか魔法を使えないハイタカはテナーと同じ地下牢に閉じこめられます。テルーはハイタカから預かったアレンの剣を持ち、目の前に現れたアレンを追いかけます。そしてクモの館に着くと、アレン「その剣を中の僕に渡してくれ。僕はアレンの光から生まれた影だ」と言い真の名を教えテルーを抱きしめて消えます。
『ゲド戦記』ネタバレ結末やラストシーン
テルーは城壁をつたって開いてる入口を見つけて城に入り、アレンが上に捕らわれてること、ハイタカとテナーが夜明けに処刑されることを知り、アレンに剣をとどけに行きます。しかしアレンは無気力です。テルー「大切なのは命。アレンは死ではなく生をこわがってる。レバンネン、生きて次の世代に命を引き継ぐことが大切。私の真の名はテハヌーよ」
竜が飛び立つようにアレンは目を覚まし、ハイタカとテナーの処刑を止めに走ります。アレンはウサギらを倒すが、クモの魔法で動けなくなります。アレンは「命」のためと考えると、初めて王家の剣をさやから抜けて魔法の光を放ち、一振りでクモの腕を切り落とします。するとハイタカを拘束する鎖も解けます。
クモは老人の姿に戻るが「永遠の命を手に入れ、賢人たちを見返してやる」と、魔法で腕を元どおりにして黒い液体の化物になりテルーをさらって塔を昇ります。追いついたアレンは足場を崩されてしがみつくが、クモはテルーを圧死します。しかしテルーは生きててドラゴンに変身し、クモは「永遠の命だ」と近づくが、テルーは「影は闇に帰れ」と焼きつくします。
崩れる塔でアレンは「テハヌー」とテルーの真の名を呼ぶと、竜になったテルーがアレンを乗せて飛び去ります。アレンを地上に降ろした竜はテルーに戻り、アレン「つぐないのためにエンラッド国に戻る。自分を受け入れるためにも。いつか会いに来ていいかな」。テルー「うん」
アレンとテルーは、ハイタカとテナーに再会し、準備をしてアレンはハイタカと共にエンラッド国へ出発します。見送るテルーは上空を飛ぶ竜の群れをながめます。
続編前作や関連映画は、スタジオジブリ映画一覧もご参考に。
『ゲド戦記』シリーズ順番・映画ランキングや映画賞

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