『ブラックアダム』感想ネタバレ解説考察/結末は?真の敵の正体は?目覚めた理由?
DCEU単独作。5000年の眠りから目覚めたブラックアダムは、強大な能力で息子の復讐のため暴れまわるが、人類を守るスーパーヒーローチームJSAが立ちはだかり…。人類の敵か味方か?DCEUに合流?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ブラックアダム |
---|---|
日本公開日 | 2022/12/2 [予告] 上映時間:124分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Black Adam |
監督・キャスト | ジャウム・コレット=セラ[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ/Seven Bucks Productions、Flynn Picture Company、ニュー・ライン・シネマ、DCフィルムズ |
日本興行収入 | 4.2億円(興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 3.9億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 67(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | DCU/DCユニバース一覧 前作『THE BATMAN ザ・バットマン』11.9億 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- テス・アダム/ブラックアダム(ドウェイン・ジョンソン。楠大典)5000年前から目覚め、息子の復讐に燃える
- ドクター・フェイト/本名:ケント・ネルソン(ピアース・ブロスナン。田中秀幸)JSA最古メンバー。考古学者。魔術師
- ホークマン/本名:カーター・ホール(オルディス・ホッジ。杉村憲司)ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカJSAのリーダー
- サイクロン/本名:マクシーン・ハンケル(クインテッサ・スウィンデル。内田真礼)JSA新メンバー。嵐や音波を操れる
- アトム・スマッシャー/本名:アルバート・ロススタイン(ノア・センティネオ。榎木淳弥)JSA新メンバー。巨大化できる
- アドリアナ・トマズ(サラ・シャヒ。坂本真綾)カーンダックの大学教授であり格闘家
- アモン・トマズ(ボディ・サボンギ。山崎智史)アドリアナの息子。ヒーローにあこがれてる
- イシュマエル(マーワン・ケンザリ。加瀬康之)アドリアナの仲間。何かを隠してる
- カリーム(モハメド・アメル。島田岳洋)アドリアナの弟
- アマンダ・ウォラー(ヴィオラ・デイヴィス。上村典子)政府組織 A.R.G.U.S.のトップ
- フルット(ジャロン・クリスチャン、ウリ・ラトゥケフ)アダムの息子
ネタバレ感想『ブラックアダム』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
DCEU11作目?監督とキャストについて
DC映画シリーズ(DCEU/DCFU/DCUとも)11作目だが、最近はユニバースを重視せず単独独立作品として成立。本作『ブラックアダム』もDCコミックスのヴィランをベースにした単独作品のようです。
ジャウム・コレット=セラ監督は『エスター』『アンノウン』や、最近は『ジャングル・クルーズ 』等を監督。
主演のドウェイン・ジョンソン/通称ザ・ロックやロック様は、プロレスラー出身の俳優でワイルドスピード・シリーズのホブス役や、最近は『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』『ジュマンジ ネクストレベル』『ジャングルクルーズ』等に出演。
ドクター・フェイト役のピアース・ブロスナンは、5代目ジェームズ・ボンド(007シリーズ)や、最近は『マンマ・ミーア!』『ザフォーリナー 復讐者』等に出演。
誰が能力を与えた?復活させたのは誰?
紀元前2600年、中東地域で栄えたカーンダックでは、アントン王が悪魔の「サバックの冠」を作るための希少鉱石「エタニウム」採掘のため多くの奴隷を強制労働に。ある少年が、大声で自由を求めたが処刑されます。
しかし少年は魔術師に召喚され、エジプトの神々から力をもらい「シャザム」と叫ぶと現世へ戻ります。スーパーパワーを得た巨体ヒーローは、サバックの冠を完成させたアントン王とカーンダックの王宮周辺ごと破壊。
5000年後の現代、考古学教授アドリアナは、仲間イシュマエルらと「サバックの冠」を葬るために遺跡へ侵入。冠を見つけたアドリアナが、謎の軍隊に囲まれたため古代呪文後「シャザム」と叫ぶと、黒スーツの「ブラックアダム」が出現。
筋肉男テス・アダムは、一瞬で軍隊をほぼ全滅させるが、エタニウム兵器での傷で気絶。一方、アメリカ政府機関のアマンダ・ウォラーは地球の驚異になりうると考え、スーパーヒーローチーム「JSA」(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)を派遣。
以上が序盤のあらすじです。いきなり3つの驚きが。『X-MEN アポカリプス』と似た始まり方、『シャザム!』のエジプト神版(MCU『ムーンナイト』もエジプト神)、MCUのヴィブラニウムと似た設定のエタニウム。
少年が処刑されるまでが短いので葛藤が伝わらず、魔術師シャザムが介在する理由などが不明ですね。少年がブラックアダムになったような演出で、後に違いましたと種明かしされますが、最初から明確にした方が面白かったとは思います。
アドリアナの古代呪文が必要だったのかは不明ですが「シャザム」の一言だけで封印が解かれる設定はさすがにセキュリティ不足を感じますね。ブラックアダム出現からの無双ぶりは気持ちいい演出だらけで好みです。
JSAメンバーは誰?カーンダックの現状は?
目覚めたアダムは、アドリアナの弟アモンからヒーローの決め台詞や心構えを聞かされるが無視。現代でもヒーローとたたえられてる自分の巨石像を確認。現在カーンダックは、インターギャングにより管理され自由のない国になってます。
ギャングの殺害をやめないアダムはJSAと戦闘に。JSAリーダーのホークマンは強い倫理観と飛行能力やパワーの持ち主。ドクター・フェイトは分身の術や未来予知の魔術師。しかしこの2人ではアダムに苦戦したため、あと2人も参戦。
19歳の新人女性ヒーローのサイクロンは、幼い頃にナノロボット注入の実験体にされ嵐や音波を操り鉄棒で攻撃。20歳の新人男性のアトム・スマッシャーは、おじの能力とスーツを継承して分子構造を制御し巨大化などで戦います。
アダムは苦戦し退散。ドクターフェイトはアドリアナに冠の返却を求めるが「アダムこそ私達のヒーロー。JSAは今まで何してくれた?」と言われ、アダムと手を組むことを考えます。一方、イシュマエルがアモンから冠を奪おうとします。
以上が中盤のあらすじです。ブラックアダムとJSAヒーローとの戦闘は最大の見どころです。特に『ザ・スーサイドスクワッド 極悪党、集結』のようにあっさり負けると思ったホークマンの奮闘ぶりは予想外に楽しめました。
MCUのドクター・ストレンジを想起させるドクター・フェイトにはもう少し頭脳戦で対抗してほしかったが、充分に役割は果たしてたと思います。サイクロン、アダム・スマッシャーはキャラはいいが、新人らしく能力の使い方はいまいち。
アドリアナのJSAへの一言「今まで1度も助けに来なかったのにヒーローづら?」は、現実でも後進国からアメリカに対しての批判と皮肉として通用しそう。アダムが「皮肉」を学習してた様子はコミカルでした。
真の敵の正体は?アダムの息子とは?
アドリアナの仲間イシュマエルの正体は、サバックの冠を求めた古代王アクトンの子孫でした。アダムはJSAと共闘して少年アモンを救うことに。かつてテス・アダムには息子フルットがいて、処刑された息子はヒーローとして復活。
フルットは王を倒したが、報復として母が殺害されます。重傷の父アダムを救うために「シャザム」能力を渡して自分は犠牲に。怒りに満ちて破壊しつくすアダムを、魔術師たちが封印。現代、アダムはアモンに息子を重ねて救出へ。
サバックの冠をかぶったイシュマエルは灰に。アダムは息子の意志を思い出し、米政府組織A.R.G.U.S.による封印を了承。しかし「死は生への道」のとおり、イシュマエルは「サバック」として復活しJSAも圧倒。
以上が終盤のあらすじです。ブラックアダムの敵の正体だけでなく、アダムの正体や過去まで判明。つまり、アダムの正体は「あの少年ではなく、少年から能力を譲り受けた父親」だったのですが、大したサプライズにはなってませんが。
この必殺技(シャザムを継承して重傷者を救える)は伏線として現代でも使うのかと予想したけど、全く使われなくて拍子抜け。アダムの息子想いの気持ちが、アモンを救う動機になり、優しい心を取り戻すきっかけになるのは上手い展開。
DC映画シリーズの欠点の1つ「ヴィランに魅力がない」のは今回も改善されてなくて残念。古代王の子孫なのはいいが、なぜ今「サバックの冠」が必要になったのか、それを求める動機など描くべき点が今回も無視されてます。
結末は?犠牲者は?エンドロール後の登場キャラは?
ドクター・フェイトは、ホークマンの死を予知したが、彼の身代わりとして閉鎖空間で1人で戦います。しかし敗れて死の間際にブラックアダムを呼び覚まします。アモンの祈りも通じたアダムは急行してサバックを圧倒するが1人では勝てず。
ホークマンがドクターフェイトの黄金かぶとで魔術を使い、サイクロンとアダム・スマッシャーのサポートもあり、アダムはサバックを倒します。黄金かぶとは消滅。アダムはアモンをヒーローとたたえ、自らブラックアダムと名乗ります。
主要クレジットの短いエンドロール後、A.R.G.U.S.のアマンダ・ウォラーがドローン通信で「カーンダックを出るなと警告」。聞く耳持たないブラックアダムの前にスーパーマンが降りてきて「話がある」と。
以上がラストまでのあらすじです。サバックとのバトルは、JSAとブラックアダムの戦いほどは盛り上がりません。悪魔から能力を与えられたサバックは、もっと強く恐ろしい存在にすべきだったかも。犠牲者1人ではゆるすぎかと。
ドクター・フェイトは本作で最も深みあるキャラなので、その心境などをもっと丁寧に描いてほしかったです。ホークマンの身代わりになった理由も「未来予知に疲れたから?」程度しかわからず。
スーパーマン登場は想定内でしたが、どちらが強いかは感心あります。『シャザム!』でもラストに登場してるので、3者で決定戦してほしいが、さすがにDCヒーローは強さがインフレ傾向なので見せ方を工夫しないと破綻しそう。
ブラックアダムがアモンの部屋を破壊する時、スーパーマンのポスターやバットマン等も破壊してたのは、DCEU/DCUに合流する伏線だったんですね。
映画『ブラックアダム』私の感想と評価
想像以上にダークな雰囲気と重量感バトルはMCU超えなシーンもあり映画館ばえは充分です。特にブラックアダムとJSAヒーローとの戦闘は見ごたえあり。最後に登場したアイツにも興奮し、再軌道中のDCEU(DC映画シリーズ)の救世主になるか。
一方、戦闘以外のストーリー展開の停滞感や、復活の繰り返しは気になりました。また、ヴィランの動機がよくわからず魅力が薄かった点もDC映画あるあるです。特にバトルが楽しいだけに、それ以外のシーンが退屈な場面も。
スーパーマンも登場しDCEUに合流しそうな雰囲気ですが、ブラックアダムは動機の強いヴィランとして敵対するのも面白そう。強さインフレの見せ方しだいでは、MCUとは違った楽しみ方もできそうなので期待したいです!
私の評価 68/100(60が平均)
シリーズやジャンル⇒DCU/DCユニバース一覧