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映画『LION ライオン 25年目のただいま』評価は?ネタバレ感想考察/インドの迷子がグーグルアースで家族探し

映画LION ライオン 25年目のただいま

『LION ライオン 25年目のただいま』あらすじ概要

アカデミー賞ノミネート作。1986年、インドで母や兄らと暮らしてた5歳の少年サルーは、兄について行った先で停車中の電車に乗り、眠って大都市カルカッタまで来てしまう。家族の住む..(ネタバレ感想考察↓)

映画名/邦題 LION ライオン 25年目のただいま
日本興行収入3.8億円興行収入ランキング
世界興行収入1.4億USドル [出典]
製作費0.1億USドル
平均評価★★★★★78私の評価↓は含まず)
原題/英題Lion
日本公開日 2017/4/7 [予告↓]上映時間 119分
映倫区分日本 G(年齢制限なし)USA PG-13
製作国オーストラリア、アメリカ、イギリス
映画監督ガース・デイビス
キャスト
出演者
デブ・パテル、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマン、デビッド・ウェンハム、サニー・パワール
配給/製作/画像©ギャガ/シー・ソー・フィルムズ、アクエリアス・フィルムズ、スクリーン・オーストラリア、サンスター・エンターテインメント、ワインスタイン・カンパニー

『LION ライオン 25年目のただいま』予告動画

ネタバレ感想『LION ライオン 25年目のただいま』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

私の評価 ★★★★★71/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

『LION ライオン 25年目のただいま』ネタバレ感想や考察

第89回アカデミー賞(2006年の映画)で6部門にノミネートされた良作なのに、日本では上映館数も少なめで興行収入もふるわなくて残念です。英語圏では実話が大ニュースになり、プロモーションしやすかったかもしれませんが、日本では知名度低い話なので仕方ないですかね。

ストーリーの大枠は、インドで迷子になり、オーストラリアで養子として成長したサルーが「Google Earth グーグルアース」を使って故郷を見つけようとする物語です。かなり詳細な地表まで見れるため、何か手がかりや方角がわかれば、確かに場所を特定できるかもと思います。

電車や線路や飛行機内などが、物語の転換点を表すように何度も出てきます。最初に電車で迷子になったトラウマを、後にも引きずらせる効果なのかもしれません。また、孤児院へ入るきっかけになったスプーンも何度も登場し、揚げ菓子ジャレビによる記憶覚醒など食事シーンも多用されています。

子ども時代のサルーは過酷な状況なのに純粋な目のままでかわいいです。入れられた孤児院はかなり悪環境っぽかったけど、すぐ抜け出して養子にされたのは幸運だったのでしょう。そしてオーストラリアの親切で裕福な夫婦に引き取られたのもラッキーでした。その幸運でルーシーのような素敵な女性にも出会えます。

ルーニー・マーラが演じるルーシーと最初に気が合うシーンでは、インド風ダンスがはじまりそうな雰囲気で良いですが、その後グーグルアースを使って故郷を探す部分はかなり省略されてるし、ルーシーや友人関係もほとんど描かれません。養子の弟マントッシュについても、グレた理由の詳細は不明のままです。

サルーが母スーに「故郷探し」を黙ってたのは、「もう1人の母探し」なので、スーを悲しませることになると思ったからでしょう。育ての母、産みの母、母性のルーシー、養子の母と結びつけたミセス・スードなど、取り巻く女性陣の愛により、サルーがハッピーエンドへと導かれていく流れが好きです。

25年後のインドの田舎風景があまり変わってなかったのは、実母を探す上で幸運でした。実話ベースですが、グーグルアース以外にFacebookも活躍したことは語られません。インドの貧困層の実態、国を超える養子制度、技術革新による問題解決など観る人により響く点は違うので多くの人におすすめしたい傑作です!

映画LION ライオン 25年目のただいま

『LION ライオン 25年目のただいま』おすすめ13ポイント

  • 実話ベースのルーツ探し物語
  • インドの底辺社会の貧しさを知る
  • 幼少期のサルーが純粋でかわいい
  • カルカッタの過酷な子どもたち
  • サルーの危険察知能力のすごさ
  • ミセス・スードの活動の偉大さ
  • 養子の前後のギャップの大きさ
  • ブライアリー夫妻の温かさ
  • 科学技術がもたらした恩恵
  • GoogleEarthの可能性
  • 25年ぶりの親子再会シーン
  • 兄グドゥの件には驚き
  • 子どもや家族と一緒に楽しめる

『LION ライオン 25年目のただいま』少し残念4ポイント

  • 時間の流れの長短にとまどう
  • 弟マントッシュの問題が不明確
  • 大人サルーの葛藤がわかりにくい
  • Facebook活躍の実話が描かれない

『LION ライオン 25年目のただいま』ネタバレあらすじや解説

1986年、インド西部のカンドワで、5歳のサルー(サニー・パワール)は兄のグドゥ(アビシェーク・バラト)に連れられて汽車に乗り込み、炭鉱から運ぶ石炭を盗んで、街でわずかの牛乳や食料と交換して帰ります。サルーは赤い揚げ菓子ジャレビも欲しがりますが買えません。家では母や妹が待つ貧しい暮らしです。

母は牛乳を子ども達に与えて、夜も炭鉱で働きます。グドゥも力仕事に出かけますが、サルーの要望を聞き入れ連れて行きます。しかしサルーはすぐベンチで眠ってしまいます。起きるとグドゥの姿はなく、サルーは停車中の電車に乗りまた眠ってしまい、翌日も車中閉じ込められたまま、大都市カルカッタに着きます

カルカッタ(コルカタ)はカンドワから東へ1600kmも離れてて、サルーはうろ覚えの村名ガネストレイに帰りたいと尋ねるがヒンディ語なので通じません。サルーは駅で飢えをしのぎ、同じ境遇の子ども達を見つけ一緒にダンボールを敷いて寝ます。しかし夜には職員が捕まえに来たので、サルーだけ逃げ去ります。

サルーは線路沿いを歩いている時、ヌーアという女性に家へ連れてきてもらい、食事や炭酸ジュースをもらったり、体を洗ったりしてもらえます。翌日、ラマという男が来て、母を探してあげると言いながら、サルーの体つきを確認します。サルーはただならぬ雰囲気を感じて逃げ出します。人身売買犯だったようです。

2ヶ月後、ゴミあさりしながらもなんとか生き延びてるサルーは、ゴミ山でスプーンを見つけ、レストラン内でスープを飲む男性を真似します。その男性が警察へ連れて行きますが、サルーは正確な故郷の名前どころか手がかりになることを何も語れず、孤児院に入ることになります。そこでは食事と教育がなされます。

新聞広告にサルーの顔写真を掲載したが母は見つからず、ミセス・スードの尽力で養子に出されることになります。英語学習やテーブルマナーなども教えてくれる良心的な団体です。初めて飛行機に乗ったサルーは上機嫌でしたが、オーストラリアのブライアリー夫婦に会った時は緊張感からか黙ったままです。

タスマニア島のジョン(デヴィッド・ウェンハム)と妻スー(ニコール・キッドマン)はサルーとはゆっくり親密になろうとします。1年後、本当の家族のようにボート遊びなども楽しめるようになってます。やがて夫婦は2人目の養子マントッシュも引き取りますが、急に暴れ出すのでスーは涙し、サルーがなぐさめます。

20年後、ホテル経営を学ぶためメルボルンの学校へ進学するサルー(デヴ・パテル)を、ジョンとスーはレストランで祝い喜びます。しかし家を出てるマントッシュ(ディヴィアン・ラドワ)は現れず、サルーは「あまり母さんを悲しませるな」と伝えに行きますが、マントッシュは悪びれる様子すらありません。

進学したサルーはルーシー(ルーニー・マーラ)と恋人関係になり、インド留学生とも仲良くなりホームパーティーに招かれます。そこで幼少時代に兄と食べたかった赤い揚げ菓子ジャレビを食べて、記憶を呼び起こします。友人らに迷子の経緯を話すと「Google Earth グーグルアース」で探すのをすすめられます。

当時の列車速度に乗車時間の2日間をかけて、カルカッタからの距離を割り出し、記憶にある給水タンク塔や母が働いてた岩場もヒントになります。その2年後の2010年、サルーは両親のもとにルーシーを連れて行き一緒に食事しますが、サルーが故郷を探してることをルーシーが話そうとすると止めます。

サルーとルーシーがぎくしゃくしてる時にマントッシュが現れ、サルーは彼に「弟ではない」と言ってしまい、精神的に不安定なマントッシュは自分を叩いて叫び出しジョンに連れて行かれます。サルーは「彼が母さんにしたことを許せない」と言うと、母スーは食事の席を離れます。

『LION ライオン 25年目のただいま』ネタバレ結末やラストシーン

サルーはインドの家族のうち自分だけが幸せになることに疑問を感じ、ルーシーに別れを切り出し、「Google Earth グーグルアース」での故郷探しに没頭します。やがて仕事もやめます。父ジョンが心配して来て、マントッシュの行方不明と母の体調不良を伝えますが、サルーは会おうとしません。

ある日、ニューヨークから戻ったルーシーと再会したサルーは、幼少時代の思い出話をします。スイカを運ぶ仕事をしてたサルーはバイクにはねられ頭を打ち、家へ帰ると弟の面倒を見てなかった兄グドゥが母に叱られます。サルーは母スーに会い、可能なのに我が子を産まず、恵まれない子に機会を与える決断をしたことを語られます。

サルーはマントッシュの家に謝罪に行きます。インドの実家探しはあきらめることにして資料を片付けます。それでも未練があり「Google Earth グーグルアース」でデタラメに閲覧して、給水タンク塔や石場や林など見慣れた風景を見つけたどっていくと「ガネッシュ・タライ」という村名を見つけます。

サルーはルーシーと母スーにも故郷を探し当てたことを伝え「実の家族がきっと見つかる」と祝福されて単身インドへ向かいます。見覚えある道を歩いて、元の家へ行きますが、今は別の家族が住んでいるようです。英語を話せる男性がサルーを、実母と妹の所へ連れて行き、25年ぶりの感動の再会を果たします

兄グドゥは、サルーが列車に閉じ込められてた夜に、電車にひかれて死亡したそうです。その日、実母は2人の息子を同時に失ったわけですが、サルーの帰宅を信じてガネッシュ・タライを離れなかったそうです。サルーの正確な発音は「シェルゥ」で、現地で「LION ライオン」という意味だとわかります。

その後TVのドキュメンタリー番組企画で、インドの実母カムラと、オーストラリアの育ての母スーとサルーは3人で現地で再会して喜びを分かち合います。インドでは毎年80,000人もの子どもが行方不明になってるそうですが、ミセス・スードのような存在により救われる命もあり、サルーも手伝う予定だそうです。

インドの貧困問題からはじまり、世界的な養子制度の成功例と問題点、ネット普及による技術革新の恩恵を個人レベルでも受けられること、25年離れてた家族と再会するまでの軌跡など、いろんなことに気付かされる名作だと思うので、ぜひ1度は観ることをおすすめします!

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『LION ライオン 25年目のただいま』含む映画ランキングや映画賞

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